2007年12月

2007年12月27日

年末である。

年内に仕事の決まりをつけてしまいたい人,
大掃除に追われている人,
忘年会続きでフラフラな人など,
それぞれに忙しい日々をお過ごしのことと思う。

先日,わが出版部でも忘年会が行われたが,
同日午後,それに先駆けて,新企画の検討会が行われた。

今回で3回目の検討会となったわけだが,
出版部の職員それぞれが,自分の担当の分野の新企画をもち寄って,
上司・同僚に対してプレゼンテーションを行った。

過去の1回目,2回目の検討のときは,
まだ企画が明確に定まっておらず,はっきり言って
トンチンカンな提案をしてしまうこともあったが,
3回目となる今回は,さすがにみんな企画の主旨,
経費,制作スケジュール,教材の紙面イメージなどについて,
かなり具体的な形を示すことができた(と思う)。

正直なところ,現在出版部では,新企画をどんどん立ち上げて,
新規の教材を世に送り出すという活動よりは,
既存の教材の改訂を繰り返し,
さらによいものにして現場に届けるという仕事の方が多い。
しかし,既存の教材だけではなく,よりよい新教材を開発することは,
子どもたちを含めた教育界のさらなる発展と,
ひいては社団の発展のためにも,非常に重要なことである。

われわれ職員も,一丸となって知恵をふりしぼり,
アタマを悩ませている。

未来を担う子どもたちが使う教材の新企画。
教材の出来如何によって,当然学習効率も変わってくるだろう。

責任は重大だ。

よって社団内での検討も厳しいものとなり,
上司から厳しい指摘を受けたり,同僚からも鋭い質問が飛んだりする。
自分ではなかなかの新企画と思っていても,
思わぬことを指摘され,せっかくのアイデアが
水泡に帰すなんてことも珍しくはない。

しかし,毎日毎日同じものを,何百個も何千個も作り続ける仕事と違い,
自分自身でアイデアを出し,ものによってはそれが現実の商品(教材)
となって世に広まっていくというこの仕事は,
たまらなく面白い仕事と言えないこともない。
そのぶん,やりがいだってある(どの仕事にもやりがいはあると思うが)。

来年は,新学習指導要領の全貌が明らかになったり,
小学校英語やそのほかのことについても,
今年はっきり見えなかったものがより明らかになってくるだろう。

ないアタマを駆使し(?),情報を敏感にキャッチしながら,
もっとよいアイデアを生みだしていけたらと考える。


先生方,関係各所のみなさま,今年もお世話になりました。

来年もよろしくご指導のほどお願いいたします。


みなさん,よいお年を。


TY

(15:31)

2007年12月25日

今年もあとわずかとなり,…

作家によっては小説の書き出しに特に気を配り,
最初の一行ですべてが決まると考えている方もいると何かで読んだことがある。
そういう方がこの時期にこの書き出しを読めば,
「これを書いた人は何と表現力の乏しい人であろうか。」と思われるであろう。
私も一介の編集者として,よりよい表現を求めてブログを書いているのだが,
自分の表現力や語彙の乏しさについては,いつも反省している。

いよいよ新しい学習指導要領の告示が間近に迫ってきた。
さまざまな学力調査から,日本の子どもたちの学力が以前に比べて
下がってきていることが明らかとなり,それを踏まえ,
今度の学習指導要領では,内容も時間数も充実させるそうだ。
どうか,未来を担う子どもたちには,新しい学習指導要領によって基礎学力を高め,
読解力や表現力をしっかりと身につけてほしいと思う。

今の子どもたちが平均して,読解力や表現力を高められれば,
もっといろいろ美しい文章を読んで理解し,自らも美しい文章を書くようになるのではないか。
そうなれば,あらゆるところで美しい文章にふれる機会が増え,
人々の心もより豊かになるのではないか。
また,もっと人の気持ちを理解し,自分の気持ちをちゃんと表現できるようになるのではないか。
そうなれば,世間をにぎわせるような信じられない出来事も
少なくなるのではないか。

私は真面目に,社会問題は学力問題と無縁であるとは言えないと思う。

子どもたちの学力を向上させるために我々にできることは,
子どもたちの学力向上に役立つ教材を開発していくことだと思う。
6月のブログにも書いたが,
出版部では今,新しい学習教材について検討している。
どうかこれらの企画がよりよい形で実を結び,
子どもたちの学力向上に役立つことを切に願っている。

(N)

(13:17)

2007年12月14日

12月も半ばになり,そろそろ来年度の諸表簿類が校了になる。
長野県内の小中学校には,10月に「出版部ニュース」でお知らせしたが,
20年度版は,次の部分を修正した。

① 教務手帳,週指導案簿(小・教),保健日誌 共通
  ・教育基本法等の改正等,必携資料を最新版に改訂。カレンダー部分を修正。
  ・カバーの素材変更。環境にやさしく,かつ加工しやすく,強度のあるものにした。
② 出 席 簿
   ・カレンダー部分の修正。
③ 当番日誌
   ・記入欄の外枠を太くして,1 日ごとの区切りをはっきりさせた。
④ 学級日記
   ・表紙新。小学校用は,前後の罫線ページをとり,記入例を入れた。
⑤ 職員健康診断表
   ・学校保健法改正を受けて,測定項目に〈腹囲〉追加。
   ・〈総コレステロール〉を〈LDL コレステロール〉に変更。

このうち,①のカバーの素材変更と③は,
本年度の学校出版部係会でいただいたご意見を反映させたものであり,
そのほかは,信濃教育会諸表簿委員会の先生方にご検討いただいた。
毎年少しずつ改訂をすすめ,より使いやすいものをめざしている。
来年度は,諸表簿類のデータ化についても検討に入る予定である。

ところで,A4判になったノート類4種には,
毎年,当年度を含めた3年間のカレンダーが載っている。
かつては機械的な修正でよかったが,祝日法が何回か改正され,一筋縄ではいかなくなった。
「振替休日」「国民の休日」「ハッピーマンデー」など。
年によって,違う日が休日になり,注意深く修正を加えなければならない。
カレンダーは毎年変わるので(当たり前か),
法律が改正され,それが施行されたからといって,すぐに反映されるわけではない。
で,来年初めて月曜日以外の日が振替休日となり,(5月6日火曜日 4連休!)
翌平成21年には,初めて祝日にはさまれた普通の日が国民の休日となる…予定。(9月22日 5連休!)

お休みだからといって,仕事が一段楽してゆったりした気分とは限らないので,
実質的にはあんまり関係ないのだが,やっぱりちょっとうれしい。
しかしハッピーマンデーについては,私としてはいかがなものかと思っている。
祝日は単なる休日ではなく,意味のある休日であると思うからだ。
成人の日は,1月15日であってほしいし,
体育の日は10月10日でないと雨が降るんじゃないかと心配になってしまう。

何はともあれ,来年の諸表簿ノート類のカレンダーには,平成17年の祝日法改正,19年施行以来,
初めての新しい休日が載っています!?

(19:11)

2007年12月07日

師走ですね。

12月のことをどうして「師走」と言うかは諸説あるようですが,
まず「しわす」を「師走」と書くのは当て字のようです。
一説には,年末にお坊さん(師)が方々でお経をあげるために駆けずりまわるので,
「師馳す」,転じて「師走」となったとか。
戦国時代に日本に来た西欧の宣教師たちは,
日本語のことを「悪魔の言語」と評して習得の難しさを嘆いたそうですが,
確かに「師走」を「しわす」と読まなければいけない日本語……特に漢字は難しいです。

「師走」の例を引くまでもなく,
漢字は,種類が膨大な上に,一字ごとに何通りもの意味や読み方をもち,
それが熟語をもなると,いわゆる重箱読みや完全な当て字もあったりして,
覚えても覚えてもきりがない……たぶんそのあたりが,
宣教師たちに「悪魔の言語」と言わしめたゆえんなのでしょうが,
一方で,そこが漢字の「おもしろ味」でもあるのでは,とも思うのです。

毎年,12月12日(=「いい字一字」で漢字の日だそうです)に
日本漢字能力検定協会から,「今年の漢字」というのが発表されていますね。
その年の世相を表わす漢字一字を公募して,一番多くの票を集めた漢字が
「今年の漢字」に決まるのです。
一年の世相を,たった一字の漢字が表わしている。
一年の間には色々な出来事があるように,何通りもの意味を持っているからこそ,
出来ることだと思います。
その字に良いイメージを持つ人もいれば,悪いイメージをもつ人もいて,
その両方の意見がたくさん寄せられて選ばれた一字を見ると,
何となく「味がある」感じがします。

画数・書き順や読み方のバリエーションを正確に覚えることがまず一番大事だけれど,
勉強しながら,願わくばその「おもしろ味」も感じてほしい……と思うのはちょっと贅沢でしょうか。
でも,私たち作り手としては,「漢字っておもしろい!」と思ってもらえるような
教材を作ることが目標です。



さてさて。
今年の「今年の漢字」が発表される頃には,もう師走も半ばです。
ちなみに,「師走」の語源にはもう一つ説があるそうで,
「一年の最後になすべきことをなし終える」という意味の「為果つ(しはつ)」から,
「師走」の字が当てられたんだとか。
やり残したことがないように,というのはなかなか難しいですが,
やるべきことをなるべく「為果つ」ことができように,
あと一ヶ月弱,頑張りたいと思います。

(16:55)