2020年10月09日

今年度改訂版を発行した「理科学習帳」には様々な新しい資料を掲載した。
その中で一番印象に残っているのは,6下の最後の単元「人と環境」に掲載した「気候変動」という資料だ。

世界の年平均気温は19世紀後半以降,100年に0.72℃の割合で上昇しており,
世界の年平均海面水温は1891年~2016年の間,100年で0.53℃の割合で上昇しているという。
北極海の氷は1901年~2010年の間,1年でおよそ北海道と同じ面積の海水面に浮かぶ氷が解けている。
地球が温暖化しているのはデータからも明らかだ。
その影響が様々な異常気象という形で世界各地に被害をもたらしているのもご存じだろう。

地球温暖化の原因についてはさまざまな説があるが,最も大きな原因は,温室効果ガスの排出だ。
近年は世界的に意識が高まり,排出量は横ばいだが,依然高い水準で,減少傾向にはなっていない。
温室効果ガスの排出の主な原因は,電気を作るための発電に必要な化石燃料の燃焼である。
改めて私たちの便利で快適な生活が地球に及ぼす影響を考え,もっと意識を高めなければならないと思う。

この温室効果ガスの排出を減少させ,地球温暖化を防ぐ手立ての一つとして自然エネルギーの利用がある。
「理科学習帳」6下の「電気の利用」という単元に掲載した「自然エネルギーによる発電」という資料にもあるが,発電するために利用できる自然の力は身のまわりにあふれている。
太陽光,風の力,海面の波の上下運動や海流,川の流れ,海の潮の満ち引き,地球内部の熱など実に様々だ。
これらの自然の力を利用する発電は温室効果ガスの排出を極めて少なくできるというだけでなく,
地球がある限り半永久的な利用が可能であるし,小さな施設でも発電ができるという利点もある。

ただ,現在の技術では発電能力が小さいため,大量の発電にはコストがかかるという大きな課題がある。
いま,自然エネルギーをもっと効率よく活用できるようにするための研究が世界各地で行われている。
画期的な発明により,現在よりも圧倒的に効率よく自然の力を電気に変えられるようになり,
世界中の人々がその恩恵にあずかることができるようになれば,
その発明は間違いなく「ノーベル賞」級だろう。

少し話が大きくなってしまったが,理科教科書にそって基礎・基本が身につくだけでなく,
そんな夢も語れる新しい「理科学習帳」をぜひお使いいただきたい。

(N)



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