2017年09月01日

先々週のNHK大河「おんな城主 直虎」,ご覧になりましたか。
表向きは逆臣のふりをしながら,実は,直虎と深く心を通わせていた
井伊家筆頭家老の小野政次の最後がえがかれた,予想だにしない圧巻の回でした。
ご覧になっていない方には何のことやらさっぱり…であると思います。
高橋一生演じる小野政次が,もう誠に素敵だったということはありますが,
今日のテーマはそういうことではありません。

小野政次が,実は忠義の臣であった(ドラマ上は)ということを思うとき,
思い出したのは,「樅の木は残った」の原田甲斐のことでした。
両親が見ている大河ドラマを一緒に見ていただけなので,
さして記憶が残っているわけではありませんが,
江戸時代前期に起きた伊達騒動の首謀者で,従来は逆臣といわれていた原田甲斐が
実は,幕府のお家取り潰しから仙台藩を守るべく尽力した忠義の人であったとのPRが
当時,盛んに行われていたなあと…。

日本書紀から始まって,
歴史は,時に当時の為政者に都合のよい形で書かれているのではないかともいわれています。
何より,当の本人たちに言い分を聞くことができないわけですから,
“事実は闇の中”ということは確かにあるのでしょう。
切り口を変えれば,人は様々な顔を見せるのだと思います。
だから,いろいろな書籍やドラマができるのでしょう。


小野政次が,それほどの人であったかはともかくとして,
たぶん,いいところもダメなところもある,そんな人だったのだと思います。
新しい小野政次像に,当の政次はどんな顔をしているでしょう。

人には様々な顔がある,だから苦手な人にも
「見つけてみよう あなたのよいとこ」のスタンスで接していくのが肝要だと思います。
“愛すべき…”のない人など,一人もいないはずです。

(17:22)