2017年05月12日

先日,ニュースを見ていると「新世代クマ」という言葉が画面に映っていました。
私は,新世代という言葉から,ハイテクで特別なクマのことを想像してしまいましたが,
正しくは人を怖がらないクマのことのようで,
この新世代クマによる人を襲う被害が各地で急増していると報道されていました。

本来,クマは大変臆病な動物ですので,
音や人影を察知すると逃げてしまい,
めったなことがない限りクマと鉢合わせて襲われることはありません。
しかし,新世代クマは人を怖がることはなく,
人を食べ物に近い認識で襲うのではないかと専門家間で意見が出されています。

では,なぜこのようなクマが出てくるようになったかを調べてみると,
諸説あるようですが,一つは里山の減少があります。
一般的には,クマの生息域は人里から離れた山奥です。
しかし,最近は過疎や高齢化により使われなくなった農耕地等の放棄が増加して里山の荒廃が進んでいます。
このため,人がいなくなった里山にクマが餌を探しに山から下りてきて,
徐々に人の生活圏まで生息域を拡大していることが原因だと考えられています。
また,狩猟をするハンターの減少もあります。
ハンターが猟銃で動物を仕留める行為は,たとえ殺されなかったとしても,
人は恐ろしい生き物だということをクマに記憶させることができます。

今後も新世代クマが増加していくと考えられており,
行政等による対応が急務となっています。
しかし,行政等による対応以外にも,
私たち個人もクマに出合わない対策をする必要があると思います。

私は,渓流釣りをしているときに過去2回ほどクマに出合ったことがありますが,
たまたまクマよけの鈴を持ち合わせていなかったときのことでした。
背筋が凍り非常に焦ったことを記憶していますが,
それ以降,クマよけの鈴を必ず持っていくようになってからはクマに出合うことはなくなりました。
他にも笛を吹いてから山に入るなど,あらかじめ自分の存在をクマに知らせることも大切なことだと思います。

新緑の季節で,爽やかな空気を吸いに野山へ出かける機会が多くなる時期かと思いますが,
安全にはくれぐれも注意していきたいです。

(18:00)