2016年09月26日

毛涯章平先生,もうじき先生の3冊の本が完成します。

『ふきのとうの餞別』 『肩車にのって』 『ただひたすらに』

多くの方々に望まれて,初版発行から約30年たっての復刊になります。
3冊の本については,何度か信教出版にお問い合わせをいただいたこともあり,
私にとっても“幻の名著”でありました。

先生にお会いしたのは,復刊のお願いに豊丘のご自宅に伺った時,ただ一度だけでした。
その後,3冊の本の復刊をご了承いただき編集作業が始まったのですが,
文章を読み返すうちに,何度も何度も胸が熱くなりました。
新1年生を迎えて,いい子に育てるぞ,かわいがるぞと心に決めて子どもたちに向き合い,
子どもたちを導くに足る人間になろうとする先生。
子どもたちの喜びに悲しみにいつも寄り添っている先生。
いつの間にか,私も先生のクラスの一人になったような,そんな気持ちになりました。
頭上に迫った先生のげんこつがパーッと開いて,
「いい子になれよ」と,グリグリと頭を撫でられたことがあったような気がしました。

先生。私たち信教出版は,長野県の小中学校の先生方の近くで仕事をさせていただいています。
先生たちは,いつも忙しそうです。
世の中が移り変わり,人の心持ちも変化していく中で,様々な困難があるのだと思います。
でもね,先生。信濃教育会の教育研究所に入所された先生方は,
口をそろえて「子どもの声がしないのがさびしい」と言い,
学校現場に戻られるときは,「早く子どもたちに会いたい」とみなさん喜々としていらっしゃるのです。
そんな時,私は,「先生はやっぱり先生だ」と思うのです。

先生の3冊の本は,時代や状況が変わっても,同じ心根をもった多くの先生方を,
きっと励まし,勇気づけ,目指すべき道を指し示してくださることでしょう。


かく言う私は先生ではありません。でも,先生の文章を読んでいると,
誠実に,一生懸命,前を向いて行こう,明日も頑張ろう,という気持ちになるのです。
“幻の名著”の復刊に関われたことを幸せに思います。

先生の思いが,多くの人々に届きますように。

(09:20)