2016年06月20日

今月の6日に,日本図書教材協会主催の研修会が東京で開かれ,参加しました。
「次期学習指導要領の方向性」と題して安彦忠彦さんが講演してくださいました。
教材会社に向けての研修会ということで,200人入る会場がいっぱいに埋まりました。

安彦さんは昨年8月に出された中央教育審議会の「論点整理」をベースにして新しい学習指導要領の考え方をわかりやすく話してくださいました。

この「論点整理」によりますと,「自立した人間として多様な他者と協働しながら創造的に生きていく」ために必要な資質・能力が重視されており,次期学習指導要領では,この資質・能力の構造を明らかにした上で,その構造の中で各教科の目標や内容が示されるのではないかといわれています。

また,児童・生徒に育成すべき資質・能力の要素として,次の3つが示されています。
  ①何を知っているか・何ができるか(知識・技能)
  ②知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力)
  ③どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか(学びに向かう力等)
①は主に個別の教科において育成される要素,②は問題発見・解決のプロセスの中で育成される要素,③は①②をどのような方向性で働かせていけばよいかに関わる要素であるとされており,この3要素がそのまま評価の観点にもなるということです。

また「論点整理」では,近い将来,現在の半数近くの仕事が自動化されるだろうとか,
人工知能が人間より高い知性をもつ(シンギュラリティ)だろうという報告などをふまえ,
世の中のグローバル化,ICT化といった変化は,どのような生き方をするかにかかわらず,
全ての子どもたちに影響してくるという認識に立たなければならないと指摘しています。

このような認識から,上の「資質・能力」の構造の中にデジタル教科書やプログラミング教育がどのように位置づいてくるのか,またアクティブ・ラーニングがどのような形で学習方法や評価などに反映されるのか,とても興味深いところですが,具体的な内容は今後「中間まとめ」を経て中教審の答申や新学習指導要領の告示を待たなければわかりません。

ただ,今回の研修会で,教育という船の理念は変わらずとも,舵の方向が世の中の流れを踏まえて少しずつ変わろうとしていることは伝わってきました。

(N)

(18:17)