2015年09月14日

AIBOを知っているだろうか。
1999年にソニーから発売された,人工知能を搭載した犬型ペットロボットだ。
当時,華々しい宣伝で,AIBOが発売されたことは知っていたけれど,
第1に犬より猫が好きだったこと,第2にやっぱり本物の動物でしょという気持ち,
第3に25万円という価格が自分にとってはぜいたくだったこと,
なにより,新しいもので,どんなものかまったく想像できなかったこと,
こんなことから,買おうとは思わなかった。

先日,テレビでAIBOの修理を請け負う技術者集団の番組を見た。
なんでも,ソニーでは,進化させながら続けてきた生産を2006年に終了,
メンテナンス部門だけは機能していたということだが,2014年にそれも終了。
ところが,その後もAIBOは,“飼い主”のもとで“生きて”いた。

修理を切望する“飼い主”たちの思いをくんでそれを請け負っているのが,
株式会社ア・ファンの技術者たちなのだそうだ。
かつてソニーに在籍していた乗松伸幸氏が立ち上げたこの会社は,
各メーカーの生産終了によって取り残されてしまったお客様への技術者としての「おもてなし」を社是に
活動を続けている。
乗松氏は,番組の中で次のようにおっしゃった。
「技術者たる者,自身が制作したものには,最後まで責任をもつ,という教えのもとに仕事をしてきた。」
胸が熱くなった。

番組を見て,思いもよらなかったことに気づかされた気がした。
機械が壊れるということは,よくわかっていたことなのに,
なぜロボットは壊れないと思いこんでいたんだろう。

AIBOは,“飼い主”に「今日はどうしていたの。」と問われ,
かわいい声で「ボーっとしてた。」などとこたえている。
わが家の生身の猫らは,柔らかくて暖かくてとてもかわいい。
けれども,AIBOのように人間語でこたえてくれることは,決してない。
つい先日,ソフトバンクグループからpepperという“感情”をもった家庭用ロボットが発売され,
あっという間に完売した。
同社のHPには,「pepperがやってきて,家族に笑顔が増える。」とある。

AIBOやpepperの行動が感情によるものなのか,人工知能の計算によるものなのか,それはともかく,
問題は,それを受け取る人間には,心があるということだ。
今後,学校や教材にも“感情”をもった“なにか”が入り込んでくるのかもしれない。
子どもたちは,生身の先生よりも“なにか”を信頼したりしないのだろうか。
長年親しんだ“なにか”のサポートが終了した時,子どもたちはどんな気持ちになるのだろう。

AIBOの顛末は,ロボットが永遠でないということに気づかせ,
キカイとにんげんの未来に新たな問題を提起してくれたと思う。

(15:03)