2013年12月04日

以前にこちらのブログでお知らせしました大槻武治先生の単行本,
『―ある信州教育の回想― 伊那の勘太郎』ですが,
発行を来月にひかえ,校正その他いろいろ煮詰まってきているところです。

物語の中で,主人公が小学4年生のときに天竜川で舟下りをするシーンがあるのですが,
たまたま今年の夏,私自身初めて天竜舟下りを体験する機会がありました。

飯田市の弁天港から時又港まで約35分間乗りました。
8月末,川の水はやや少なめという日でした。少なめといっても,
♪天竜下れば飛沫(しぶき)がかかる
と伊那節にあるように,水をかぶるのではないかと少々の不安がありましたが,
舟に乗り込んだら一番後ろの方だったので,これなら大丈夫と安心していました。
ところが,舟が動き出したと思ったら,なんと180度の方向転換。
そういうわけで,前から4,5番目(あとで聞くと一番水がかかりやすいらしいです)という場所での
舟旅となりました。
最初は川幅が広く流れも穏やかでしたが,カーブが続き川幅が狭まると水の流れも激しくなってきて,
二度三度と頭から水をかぶり,天竜の水と一体になりながら時又港へ到着しました。
一応,水よけのビニール(皆で一斉に上に持ち上げます)はあったのですが,
あまり意味がありませんでしたね…。
とは言っても8月,まだ暑い時期だったので風邪をひくこともなくよい思い出となりました。
緑が美しい季節でしたが,桜や紅葉の時期にもまた来てみたいと思いました。

さて,この天竜川ですが,『伊那の勘太郎』の中ではとても重要な役割を担っています。
天竜の川の流れに,川の水の一滴に,思いを重ねる登場人物の心の動きが丁寧に描かれている作品です。


大槻武治著『―ある信州教育の回想― 伊那の勘太郎』
平成26年1月刊行予定
四六判/224ページ/並製,カバー装/1,000円+税
取扱い:しんきょうネット ほか

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