2013年11月15日

先日,私の担当した日本家庭科教育学会北陸地区会様の
30周年記念誌『生活を考え創る』が完成しました。
これは北陸地方5県の大学の家庭科の先生や,小中高の先生方で組織される
家庭科に関する研究会の30年にわたる活動のあゆみと,
最近の研究論文や実践報告を掲載した本です。

家庭科というと,料理を作ったり,裁縫をしたりと生活に身近にかかわった教科で,
実は私が小中学生のときは結構好きな教科でした。
しかし,学校を卒業してからは,とんとご無沙汰で,
こういった仕事をしていても,なかなかふだん接することのない教科でしたので,
今回この本を担当してなかなか興味深かったです。

この本に収録された実践報告のひとつに「『お弁当作り』に関わって」
というものがあります。
これはある中学校の先生の実践報告で,先生が食生活学習のまとめとして
20年以上にわたり指導されているお弁当作りのことが書かれています。

まずは計画から。
「誰々のために何々弁当」という設定で栄養バランス,調理法,費用など
6つの条件をクリアする献立を考え,弁当箱の図の中に配置します。
材料も表にまとめ,調理作業の計画も立てます。

次に調理実習。
できるだけ同じ献立のある生徒同士でグループを編成し,同じテーブルを使わせます。
しかし,同じ献立とは言っても個々の作業内容が異なるため,
事前に実習の動きをシミュレーションする「エアー調理実習」を行い,
スムーズな実習となるように工夫されたそうです。

そして,ついにお弁当が完成したら家族に試食してもらいます。
おもにお母さんが試食されたそうですが,子どもたちが一生懸命に
作ったお弁当に感激,賞賛の声が寄せられ,好評だったそうです。

一方,生徒の感想では,ふだん当たり前に食べているお弁当を
いざ自分で作ってみると大変だったこと,大変だったけど達成感があったこと,
家族に作ってもらっていたことに感謝の気持ちをもったということなどがあったそうです。

このように,お弁当を作ってみることが,ただ調理の勉強になるのみならず,
家族に対する感謝の気持ちや相手に対する思いやりなどを育み,
コミュニケーションを豊かにするということが印象に残りました。

このほかにも「豆腐の選択と購入」「契約・クーリングオフに関する
実践事例と教材開発」など興味深いテーマの実践報告が掲載されています。

この本は,一般向けには販売されませんが,興味を持った方は
ぜひ信教出版までお問い合わせください。


TY

(18:35)