2012年09月14日

ようやく夏の暑さもひと段落といったところですが,
みなさんいかがお過ごしでしょうか。

弊社では,最近では,平成27年度から使用される
理科と生活科の教科書の編集作業が本格化しています。

「え,もう27年度用の教科書をつくっているの?」
と思われるかもしれませんが,ご存じのように教科書というものは,
児童生徒の皆さんの手に届くまでに長い年月を要します。

簡単に説明すると次のような感じです。

まずは出版社の方で,検定用の教科書をつくります。
これは,「白表紙(しろびょうし)」と呼ばれ,
中味は本物の教科書と同じようになっていますが,
表紙は真っ白で,教科と学年などの最低限の情報しか書いて
ありませんし,出版社名もどこにもありません。

この段階では,掲載内容について各教科書会社の方で
それぞれ一生懸命に考えたものであることは間違いありませんが,
まだ完成というわけにはいきません。
これを文部科学省に提出し,検定を受ける必要があります。

文科省の方では,提出された白表紙を学習指導要領などと照らし合わせ,
中味についてこまかく精査し,その結果を意見として教科書会社に伝えます。

教科書会社では文科省からの意見について,すぐに修正案を作り
提出しますが,何度かのやりとりを経て,初めて「検定合格」となります。

ほかの教材や一般の書籍とちがい,国の検定に合格する必要があるところが,
教科書の大変なところです。

ようやく検定合格となった教科書は,その次の年度に「採択見本」
として教育委員会などに送られ,次の年から使う教科書としてそれを
採択するかどうか決めてもらいます。

採択が決まった教科書は,採択数とその他備蓄用など必要な分を印刷・製本され,
その次の年度にようやく学校へ届けられ,実際に学習に使用されることとなります。

ですので,今現在は,来年度におこなわれる検定にむけて,
新しい教科書を作っているというわけです。

息の長い仕事になりますが,編集委員の先生方や,その他大勢の関係各所の
みなさんと力を合わせ,よりよい教科書づくりに励んでいきたいと思います。


TY

(18:15)

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