2010年08月20日

「今までの教科書,たいがいにせえ!」

先日,デジタル教科書・教材の協議会が発足したとかで,
発起人に名を連ねる某携帯電話会社の社長さんは,会議の中で声高にそうおしゃっていました。

某社長さんは「物議を醸すために来た」そうなので,
あえてこういう言い方をしたのはわかっていますが,
教科書を作っている会社の人間としてはこういったコメントを聞くと
心中穏やかではいられません。
今までだって,一生懸命に教科書をつくってきたのですから。

この協議会は,2015年までにすべての小中学生がデジタル教材を
もつ環境を整えることを目標に,ハード,ソフト両面の開発,実証実験,
普及啓発などを推進するそうです。

今現在でもいくつかの教科書会社からデジタル教科書は発行されていますが,
それらは学校で購入し先生が操作して子どもたちに提示して使うものが主流のようです。

一方,件の協議会が目指しているのは,先日の当ブログにもありましたが,
子どもが一人一台もち自ら操作するiPadのようなものを想定しているようです。
動画や音楽の視聴ができたり,絵がかけたりと,非常にエンターテインメント性に
富むものを目指しているようですが,
はたしてそのようなものは本当に子どもたちの学習用として有効なのでしょうか。

また,同じ協議会の別の会議の中で「ダムを1つ作るより,すべての小中学生に
1台ずつ端末を与える方が予算的に安くつく」というような発言もあったようですが,
こういった発言を聞くとなんだか商売のにおいを感じてしまうのはわたしだけでしょうか。

子どもが学習するためのデジタル教科書として,
このiPad型のスタイルが最適なのかどうかについては,まだまだ研究の余地があると思いますし,
機器の開発やそれをたくさん販売することに血道をあげ,
学習効果を高めることをおきざりにしてしまっては本末転倒でしょう。


と,いろいろと書いてしまいましたが,
実は弊社でも来年度新学期に理科のデジタル教科書を発売予定です。

このデジタル教科書は,教師用(授業用)の提示型デジタル教材で,
教科書のページがそのまま表示され,プロジェクターや電子黒板と組み合わせることによって
絵や写真を拡大表示したり,また,線や文字をかきこんだり付箋をつけたりする
機能を備えています。
使う先生のアイデア次第で,さまざまに活用していただけます。

信教出版部のデジタル教科書,ぜひご期待ください。


TY

(18:48)