2010年05月10日

もう1か月も前になるのだが,4月10日に教科書協会主催の「教科書の日」制定記念式典が開かれ,
関係者として出席した。
(「教科書の日」とは,広く一般の方々に教科書の役割を知っていただくとともに,
教科書の仕事に従事する者が,その社会的意義や責任を再確認することを目的として設立されたもので,
正式な記念日として登録されている。)
そこで朗読会が行われ,テレビドラマでおなじみの林隆三さんが「虔十(ケンジュウ)公園林」という話を朗読された。
「虔十公園林」は宮沢賢治の著作で,時代背景が現代とは違う。
少し足りないといわれている少年・虔十が,まわりからバカにされながらも700本の杉苗を家の近くに植える。
彼が死んだ後,歳月を越えてそれが杉林の公園となり,子どもたちの遊び場になるという話である。
林隆三さんは身振り手振りを交えて朗読というか「演技」をされ,
目をとじるとその場面の様子がありありと浮かんでくるようであった。
と同時に,虔十のまっすぐな思いも伝わってくる。
林さんの生の朗読と「虔十公園林」という話が印象的で,新鮮な体験だった。

もう一つ新鮮な体験というのは,
夏・冬休み帳の担当になり,信濃教育会主催の「信州子ども絵画100年館」を見たことである。
去る3月20から4月20日まで開かれていた第23回「信州子ども絵画100年館」では,
県内の小中学校から応募のあった絵画作品8,285作品のうち,中央入選した236作品が展示されていた。
毎年,夏・冬休み帳の表紙には児童の絵画作品を掲載しており,その作品は
「信州子ども絵画100年館」で中央入選した作品から選ばれている。
最近は児童の作品のみならず絵画そのものをちゃんと見る機会がなく,感覚が鈍っていたかもしれない。
そんな私の鈍った感覚を呼び覚ますような素晴らしい作品の数々で,まるで芸術家の卵の作品を見るようであった。
形はリアルではないかもしれないが,情景というか様子がストレートに自然に伝わってくる,そんな感覚であった。
決して大げさではない。

デジタルの情報が溢れている日常の中で,
アナログの,しかも新鮮で生き生きとした芸術に触れることはすばらしい。
忙しいときほど時間をとって芸術にふれなくては,と思った。

(N)

(12:09)