2009年08月11日

学生時代の友人が本を出版した。
といっても残念ながら信教出版部からではない。
東京の大手出版社から出したのだが、それが予想以上に売れ行きがよく、
なんでもインターネットの大手通販サイトの売上1位にもなったそうな。
周囲はもちろん本人もびっくり、発行2週間にして増刷が決定したとのこと。

友人は、以前このブログにもちらりと登場したことがある、お寺の住職さん。
彼は住職とともに税理士という肩書きももっていて、
その2つの面から、なかなか知りえないお寺やお坊さんにまつわる疑問に応える内容を
ユーモアを交えわかりやすく書いている。

本を書くにあたって、執筆・出版セミナーのようなところへ通ったそうだが、
その修了時のプレゼンを複数の出版社に聞いてもらい、
これは、と思った出版社が手を挙げてくれたのだそうだ。
アイドルのオーディションさながらである。

「本を出すことになったよ」という連絡以来、わたしも度々経過の話を聞かせてもらっていたが、
初めての出版ということもあり、途中、生みの苦しみにかなりくたびれていた時期もあった。
一度は編集担当者が代わり白紙になりかけたこともあったが、どうにか発行に至ったとのこと。
わたしも長野駅前の平安堂の書棚で本を見つけたときは、なんだか感動してしまった。

友人は自分のブログを書いていて、ちょくちょく更新しているし、
住職として法事などで、また講師としてセミナーなどで、
日常的にたくさんの人に話をする機会がある。
それらに対して、本によって自分の意見を発信するということは、
手間もお金も比べ物にならないほどかかる。
にも関わらず、莫大な労力をかけてあえて出版という表現手段を彼が選んだ理由の一つとして、
「手元にものとしてしっかり残る」
「消したくてもすぐに消すことはできない」
という、本が持つ確実さを求めてのことがあるのではないかと思うのだ。

そこで改めて、本というものに編集者として携わる自分たちの仕事を省みる。
読者の手元にずっと残るものであるから、記述や表現に吟味を重ねてより適確なものにすること。
児童・生徒の学習に関わるものなら、正確さには随一の気を配ること。
目の前のことから、一歩一歩、確実に、進めていきたいと思う。

(10:45)