2007年10月05日

10月に入りもうだいぶ落ち着いてきたかもしれないが,秋祭りの季節である。
私の住んでいる地域でも9月20日,近所の神社で例大祭が行われた。

実は私も小学生のころ地区の神楽保存会に入っており,以前にこの例大祭で太鼓をたたきながら近所を山車や獅子舞とともに練り歩いたことがある。

そんなこともあってか,もう秋祭りで胸がワクワクするような年齢ではなくなってきているにもかかわらず,酒に酔っていたのも手伝って,家の近所を祭りの一団が通ると思わず外に出て提灯行列のあとをついて行ってしまった。

どこのうちへ行くのかと思っていると,なんと行列は近所のSという大型スーパーの駐車場へ入っていくではないか。
実は,私の地元では数年前から秋祭りの時には,お祝い事があった家や地区の班長の家などのほかにもこのSスーパーや,ほかのスーパーで神楽&獅子舞をやっているのだ。
一団はスーパーの店内に入り,入口前のちょっとしたスペースに陣取ると神楽の演奏を始めた。それに合わせて小学生の男の子2人組による獅子舞も始まった。

思わず店内で買い物をしていたお客さんも集まってきて,獅子舞を見物している。小学生2人によるかわいい獅子舞となればこれはもう見逃すテはない。

神楽の演奏隊の中にもおじさん・おじいさんたちにまじって笛を吹いている小学生が2人いた。おじさんの手書きの楽譜を見ながら一生懸命吹いている。獅子舞の子たちも一生懸命舞っている。
おそらくこの日のために一生懸命練習したのだろう。非常にスムーズに,堂々とした舞いを披露している。見ている側も思わず応援したくなるような,それでいて引き込まれていくような気分である。2人のコンビネーションも抜群で,2人がぶつかったりとまどったりする場面は一度もなかった。

およそ10分間の獅子舞が終わるとその場は拍手につつまれた。男の子たちも獅子から出て,ほっと一息ついていた。

そのころにはだいぶお神酒をいただき,すっかり出来上がっていた私はひときわ大きな拍手をしてしまった(ような気がする)。
すごいなあ,いまどきの小学生もやるもんだなあ,感動だなあ,やっぱり地元に古くから伝わるこういったものは大事にしなきゃいけないなあ,などと大いに感心した。

結局,最終目的地である神社までついて行って,同じ子どもたちによる獅子舞をもう一度見て,そのあと大人の獅子舞までも見物してしまった。

このような地方の伝統芸能といったものは文化であり芸術であり,財産であると思う。少子高齢化と言われる今の世の中で,おまけに子どもたちのまわりにはテレビゲームなどの娯楽があふれ,塾や習い事などで忙しい中で,このような活動を盛り上げることはなかなか難しいことなのかもしれない。

しかし,自分が生まれ育った地元を大事にして,また大きく言えば,地域全体が子どもを育て安全・安心な地域社会を作っていくという意味においてもこのような活動はとても大事だし,自分もただの傍観者ではいけないんだなと思った。  


獅子舞からいろいろ考えさせられた夜であった。         


    TY

(16:58)