2018年06月

2018年06月29日

梅雨とは名ばかりで,たまにしか雨が降らないと,農作物の生育状況や水不足が心配になってきます。
それでもやはり,青空の日には外の空気を吸いたくなり,昼に近くの公園に行ったりします。

ある日,その公園で弁当を食べながらふと足元を見ると,
照り付ける太陽の日差しをものともせず,休みなく歩き回っているアリたちがいました。

そうです。前回のブログでは「ハト」だったのですが,今回は「アリ」について書きたいと思います。

実は,アリについてもちょっと嫌な思い出があるのです!
事件は数年前,今住んでいる我が家で起こりました。

真夏の熱い日だったと思いますが,仕事を終えて帰ると,
家族のものがほとんどパニックを起こして泣き叫んでいました。
どうしたのだろう? と思い,部屋に入って見てみると,
我が家の共用廊下に面した部屋の,壁から床一面に大量のアリがうごめいていたのです!
それだけでなくアリたちは机の下や洋服ダンスの裏側などあらゆる所へ入り込んでいました!

とにかくこのアリたちを処分しなくてはと思い,アリの大群に向けて大量の殺虫剤を投与!
部屋の中のアリたちを片付けたところで部屋の外を見てみると,
共用廊下にアイスクリームの食べ残しのようなものが落ちていて,そこにもアリたちがいました。
そこで,すぐさまそのアイスクリームへも殺虫剤を大量投与!

どうやらアリたちは,そのアイスクリームのところから近くの壁を伝って
我が家の窓の隙間から部屋に入り込んできたらしいのです。
これは決して作り話ではありません。
想像してみてください! 家の床一面にアリの大群がうごめいている場面を!

アリといえば「働き者」で誠実なイメージですが,
状況が変わって私たちに不都合な場面となると,もう害虫でしかありません。
なんと身勝手なことかと思いますが,同じような場面に遭遇すれば,
皆さんも同じように行動するのではないかと思います。

ハトのときも書きましたが,まわりの環境とうまく付き合うためには,
その環境や,環境の一部であるハトやアリのこともよく知らなければならない。
当たり前のことですが,ハトにもアリにも固有の世界があり,異なる生態系をもっています。
それぞれの固有の世界を知り,尊重しつつ,私たちの固有のくらし(世界)の中に
ハトやアリの好む環境(世界)を作らないようにすることが肝要だと思いました。

(N)

(15:08)

2018年06月08日

近頃,AIと感情に関わる話をよく聞く。
様々なところでヒトの感情を理解するとか,はては空気を読むとか,
そんな研究に一生懸命な人たちがいるようだ。
ヒトの感情とか倫理観は様々で,誠に複雑なものだ。
一様にはかることなどできない。
(だから,教科書が使われるようになった今も「道徳」の教科化は,しっくりこない。)
ビックデータも言葉のとおり,データにすぎない。
少し前にマイクロソフトのAI「Tay」がヒトラーを賛美するなどして実験が中止されたという。
でも,AIと感情に関わる実験がやむ気配はない。
いったい何がしたいのだろうと思う。
AIが人の感情を解するようになったら,より便利な道具? になると思っているのだろうか。

こんな話を聞くと思いだすSF作品がいくつかある。
光瀬 龍原作,竹宮恵子の「アンドロメダ・ストーリーズ」もその一つ。
「すべての人間の理想郷建設」を科学者にプログラムされたマザーマシーンが
忠実にその使命を果たすことにより,全宇宙が破壊されていく,うんと簡単に言うとそんな話だ。
マザーマシーンは,理想郷を作るべく惑星を機械化し,人は安全で快適な仮想社会に暮らしている。
一つの惑星で使命を終えたマザーマシーンは,次の惑星にわたり,つぎつぎに理想郷を作ろうとする。
AIの恩恵を享受する惑星もあるが,戦う惑星も,支配を嫌い自爆する惑星もある。
そして,人が住む多くの惑星が消えていく。

AIの判断の危うさを人は以前から感じていたのではないだろうか。
だからそんな世界を危惧した作品が生まれたのだと思う。
人の感情が一様でないように,AIとだってすべてイコールになるなんてありえない。
傾向をつかむといっても,その傾向だってどうなのだか。
科学は,その結果が予想できない。
人に多くの恩恵をもたらすのか,大きな脅威となるのか。
AIが(ヒトのような)感情をもつことは,恩恵なのか,脅威なのか。

何度か引用した信教出版の理科担当の言葉がまた浮かんだ。
“科学は,生活を豊かにする手段に過ぎない”
AIの進化も手段の内であってほしい。

(12:07)