2017年04月

2017年04月28日

『信濃教育4月号』のテーマは「私の好きなことば」でした。
先生方の感動的なエッセイが数多く掲載されており,おススメです。
ということで,私も真似して書いてみたくなりました。
先生方の文章のように感動的というわけにはいきませんが,お付き合いください。

大学時代,私は音楽サークルに所属していました。3つ上の先輩に
ドラムのうまいO先輩がいましたが,O先輩は後輩の面倒見はいいものの,
いつも兄貴肌で強引だし,ストレートにものを言うし,お酒の席では
執拗に飲ませてくるので,私も先輩として慕う気持ちはもちつつも
若干近寄りがたいものを感じていました。

そんなO先輩は,大学卒業後,1年間だけコンピュータ関連の会社に勤めたあと,
貯めたお金をもって単身渡米,ニューヨークでプロのミュージシャンを目指し始めました。
私も海外に対するあこがれがありましたので,あるときO先輩をたよって
ニューヨークへ遊びに行きました。
先輩のアパートに2週間ほど居候し,その間,夜な夜な先輩と共にライブハウスへと繰り出し,
生の音楽をこれでもかというほど聴いて刺激的な毎日を過ごしました。

そんな中,あるときO先輩から「経験は財産だよ」という趣旨のことを言われました。
たしか,先輩に「一人で自由の女神を見に行ってくること」という課題を与えられたときです。
電車やバスを乗り継ぎちゃんと目的地にたどり着けるかと,不安そうにしていた私に対して,
たとえ苦労をしても恥をかいても,とにかくやってみろという気持ちを込めて
言ってくれたのだと思います。
当たり前といえば当たり前の,そしてものすごくシンプルなことばですが,
単身渡米して何年もの間苦労しながら,一人で音楽活動をしてきたO先輩の言った
そのことばは,重みがありました。

あれからもう長い年月がたってしまいましたが,私も年を重ねるたびに
「経験は財産」というそのことばは真実だなあと思うようになりました。
日々過ごしていると,成功することよりも失敗することの方が多いくらいですが,
苦しみもがいた経験もうまくいった経験も,その人の人生にとっていつかは財産になると思います。
だから,不安でも苦手でも,何事もとにかくやってみることが大切なのではないでしょうか。

この春,遠く離れて住む姪が,高校に合格したとのニュースを寄せてくれました。
LINEで吉報を知らせてくれたのですが,エラそうなこのおじちゃんは,
おめでとうのついでに,くだんのことばを送りました。
おそらく,今の彼女にはわからないと思いますが,いつか実感してくれれば,と思いました。


TY

(14:51)

2017年04月14日

最近,インターネットのニュースを見ていて興味をひかれたものの中に,
新たに発見された生物を特集したものがありました。
毎年見つかる新種の生物は150,000種にも及ぶそうです。
多くは菌類や植物ということで,普段は目に見えなかったり,
人間の生活圏とはかけ離れたところに生息していたりするもののようです。
そういえば,3年前に話題になったダイオウグソクムシの新種や
ガレッジセールの川田さんが発見したカワタガニなどもそうでした。
これだけ人間の技術が進んで,人工知能がますます活躍するだろうといわれているのに,
まだまだ人間の知らないことが無限にあるとは,とても不思議な気がします。

また,少し前ですが,人間が交通事故にも完璧に耐えられる体に進化したらどうなるか,
ということをまじめに研究して,その完璧な体(交通事故にも完璧に耐えれる体)を
デザインした科学者の話題もありました。
ぜひ,インターネットでそれらしい単語を入れて検索してみてください。
いまの人間がこんな形に進化したら,どう思いますか?
新しいものや便利なことだけを追いかけて,
知らないうちにいまの私たちとはかけ離れた姿になってしまうとしたら・・・。

ところで,私たちがいま一番気になっているのは,
新しい学習指導要領や,来年度から使われる道徳の教科書,
新たに教科化される小学校英語のことなどです。
小学校の先生はいままでにも増して大変になるのはないでしょうか。
学校の様子もだいぶ変わるかもしれません。
熟慮の末に新しく切った舵の先が
思いもかけない進化の方に向いていないことを祈りつつ
見守りたいと思います。

(N)

(16:49)

2017年04月03日

上々の天気で新年度がスタートしました。
道の向かいの長野市立図書館の魯桃桜(ロトウザクラ)も満開です。

始まったばかりの新年度ですが,信教出版にとっては,大変多忙な年になると予想しています。
平成28年度中に告示されると予告されていた新しい学習指導要領が,
まさに最終日の3月31日に告示されました。
その前の週の金曜日には,平成30年度から使用される道徳教科書の検定結果が公表されました。
新しい学習指導要領は,平成32年度から使用される教科書,学習書の内容を示しており,
信教出版では今後,それに沿った教科書,学習書を制作していくことになります。
道徳の教科書については,信教出版では発行しておりませんが,
長年,信州の先生方が実践を繰り返し育ててきた,信濃教育会編集の「道徳資料集」を発行しています。

 小学校道徳使用集「わたしたちの道」 中学校道徳資料集「わたしの築くみちしるべ」

それぞれ平成2年に初版を発行し,最新版は改訂第6版になります。
文部科学省では,教科書の発行後も教科書だけでなく,
地域に根差した郷土資料など,多様な資料を活用することを謳っています。
それは,一律の教科書では,道徳は学べないということと同義だと思っています。
身の回りの出来事,人とのかかわり。そして同じ体験でも,感じ方,考え方は様々です。
道徳教科書はこれから見本本が配送され,夏の終わりには採択が決まります。
そんな状況の中で,
今まで育ててきた信教の道徳資料集を変わらずにお使いいただくにはどうしたらよいか,
それも今年度の大きな課題です。


さて,そのような中で信教出版は,新しい仲間を一人迎えました。
本日,初出勤。紺のスーツでちょっと緊張気味です。
大変な1年になると思いますが,ともに頑張ってまいります。

(22:00)