2015年02月

2015年02月23日

東京の国立博物館で開催されている,「みちのくの仏像」展に行ってきた。
お目当ては,山形本山慈恩寺の十二神将。その中の四体がやって来るという。

慈恩寺が好きで何度か通っている。
きっかけは,東京への出張の折,新幹線の中にあった「トランヴェール」という雑誌を見たことだ。
「トランヴェール」は,JR東日本の新幹線車内サービス誌で,
東日本の文化,風土を紹介しており,何年か前に慈恩寺を特集していた。
そこに掲載されていた枯れた感じの建物,神秘的な仏像,そして毎年5月5日に行われる一子相伝の舞楽。
東北にこんなすごいところがあったんだと思った。
矢も盾もたまらず,5月5日の舞楽披露に合わせて慈恩寺に行くことにした。
慈恩寺は,その建物も仏像も,舞楽もすばらしく,それ以来,何度か通うことになった。

さて,国立博物館にやってきた十二神将だが,
透明なケースに納められ,照明を当てられ,慈恩寺に安置されていた時とは,趣が違った。
いつもは持っていない,(たぶん展覧会用の)新しい持物(じぶつ)を持ち,彩色もよく見えて,
往時の姿により近いものだったのだと思う。赤い皮膚や,甲冑の模様がはっきり見て取れた。

今回の展覧会は,言うまでもなく3.11からの復興を祈る意味もある。
「みちのくの仏像」展と合わせて「3.11大津波と文化財の再生」展も開催され,
大きな被害を受けた文化財再生への,この4年間の取り組みが紹介されていた。
不思議なことだが,仏像というと,奈良,京都と思い込んでいる節がある。
もちろん,長いこと政治の中心で富も人も集まっていた場所だから,
優れた寺社,仏像がたくさんあるのだが,
人がいる限り,どこにでも祈りはあるのだと思う。
お目当ての十二神将は,天部に属する薬師如来を守護する武神であるから,
穏やかという仏ではないが,
3.11の災害を経て,なお穏やかで慈愛に満ちた仏像も展示され,
仏像1体1体に手を合わせながら鑑賞している人がいた。

それぞれの土地で人々の心のよりどころとなった仏様が,日本中にいるのだろう。
新年度を控え,あわただしい毎日が続いているが,
「みちのくの仏像」たちに囲まれ,しばし,ゆったりと穏やかな心持ちになれた。

(13:16)

2015年02月13日

最近私は,暇があるとインターネットの動画サイトをよく見ます。プロがつくっているような動画だけではなく,近頃は個人で動画をつくってあげているような人も多くて,私はそちらを見ることの方が多いです。

今はインターネットがあるので,誰でも簡単に情報を受け取ったり,発信したりすることができるようになりました。
わからないことがあれば,検索をすることですぐに答えが出てきますし,いろいろなジャンルについて扱っているブログや動画がたくさんあります。
自分の思いや考えを発信することも,短文を気軽に投稿できたり,写真や動画をスマートフォンで撮影してすぐにアップロードができたりと,どんどん敷居が下がっています。

このように,気軽に情報の受発信ができるインターネットと比べてしまうと,従来のようにわからないことを図書館などで調べたり,自分の思いや考えを言葉にして多くの人に伝えるというのは,少しめんどくさく感じてしまいます。

求める情報を自分で探し出して,そこから得たことを言葉にするより,インターネットにあげられている解説動画をみて,なるほどと思ったものに「いいねボタン」をクリックするほうが,ずっとずっとラクだからです。

しかし,その結果,じっくりとひとつのことを考えて,それを文字にして伝えるということが少なくなってしまい,「なんとなく思うことはあるけれど,うまく言葉にできない」ということが増えてしまったような気がします。

実際私は,うまく伝えられないからと,とりあえず黙っていることがたくさんあります。または,とりあえず言葉にしてしゃべってみた結果,「失敗したなあ」と後悔することもあります。
伝えたいことがあっても,それを伝えられないというのは,もどかしいことだなぁ,と日々感じています。


ところで,私が担当している『ひろがる読書』が先週納品されました。この本には,小学1年生から中学3年生までの長野県読書感想文コンクール金賞受賞作品と,読書感想画コンクール入選作品が掲載されています。

ここに掲載されている感想文は,大人が見ても「なるほどー」と思うものがたくさんあります。金賞受賞作品というだけあって,きっと時間をかけて,何回か書き直しをしながら,感想文を仕上げているのだと思います。
自分の経験と照らし合わせて,何を感じたのか,どういう決意を固めたのか,といったことが書かれた感想文を読んでいると,その本について興味が出て,自分も読んでみたくなります。

ぜひ,県内の小中学生のみなさんには,『ひろがる読書』をきっかけに,読書をはじめてみたり,それをもとに自分の考えを言葉として形にしていただけたらと思います。
その経験が,のちのち,本当に伝えたいことができたときに,役立つかもしれません。

私も,このブログを書くときくらいしか,時間をかけて自分の考えを文字にする機会はありませんでしたが,『ひろがる読書』を読んで,今後はもう少し,きちんと言葉にする習慣をもちたいなと思いました。

誰でも簡単に情報を受けたり,発信したりできる時代だからこそ,本とじっくり向き合って,感動したことや面白かったこと,納得したことや考えたことなどを言葉にしてあらわすということが,これからより一層大切になるのかもしれません。

『ひろがる読書』は残念ながら一般向け販売は行っておりませんが,長野県内の小中学校の図書館や,県立長野図書館にも置いてあります。ぜひお手に取って,ご覧いただければと思います。

(17:45)

2015年02月06日

前回のブログで,インフルエンザに気をつけてくださいと書きましたが,
我が家では1月下旬に,一人暮らしをしている妹がインフルエンザに感染し,
その後看病をしに行った母親と,父親も感染してしまいました。
例年は,ほとんど私が感染してから家族にうつるのですが,
今年は,私が感染していないので,家族みんなで驚いています。

長野県内では,インフルエンザの患者数は減少しているものの,
まだ警報レベルだそうです。
両親から私もそろそろうつるのでは? といわれていますが,
今年は何故だかうつらない自信があります!!(笑)
今後もしっかりと予防をして,生活したいです。

(17:52)