2012年07月

2012年07月27日

先日,某テレビ番組で,現在,福岡県のある公立小学校に勤務されている
ベテラン教師の特集が放送されていました。

その先生は,小学生には難しいとされるディベートを授業に取り入れたり,
児童のよいところをクラス全員で大いにほめるといった指導をされていたりして,
それにより学級崩壊の危機にあったクラスを次々と立ち直らせたとのことで
話題となり,近頃ではその先生の授業を見学に訪れる教師たちが後をたたないといいます。

その先生は,一人の児童のことを全員でほめる
「ほめ言葉のシャワー」という指導を日頃されているそうです。
番組の中でも,一人の児童を教室の前に立たせて,その子について
ほかの児童が挙手をして,よいところを述べてほめている場面がありましたが,
ほめられた児童は照れくさそうにしながらも,嬉しそうでした。

人間,誰しもほめられて悪い気はしません。
ただ,ほめられることによって,思い上がったり,自惚れたりするのでは
まずいと思いますが,自己肯定感(このことばも最近知りましたが)を育て,
同時に自分も他者のよいところをさがすという姿勢が自然に身についてくれば,
周囲の友だちとの人間関係が向上し,学級全体の雰囲気がよくなり,
ひいては学級崩壊とは無縁のまとまりのあるクラスが出来上がるのではないかと,
素人ながらに感じました。

思い起こせば,自分が小学生のころは,ほかの児童のことをみんなでほめる
などという場面はまず記憶になく,よく覚えているのは,帰りの会で,
「今日はA君がBさんの悪口を言っていました」などと,
一人の児童が別の児童の悪かったことをみんなの前で発表し,
それについてほかの児童が「こんなこともしていました」と付け加えたり,
「いけないんだー」とヤジを飛ばしたりする場面です。
先生も最後に「罰として校庭を3周走ってくること」などと指導をし,
ひたすら悪かったことを反省させるという風潮がその当時は当たり前だったと
思います。

それに比べると,この番組に登場した先生の指導手法はなんて前向きなんだろう,
と感じ入りました。

自分も,ほかの人のよいところを見つけるよう心掛けたい,と思いました。


TY

(16:20)

2012年07月23日

先日,会社の近くで「暑気払い」をしました。
毎年恒例になっていて「暑気払い」という言葉は当たり前になっていますが,
辞書で調べてみますと,
・薬を飲んで暑気を払うこと。また、その薬。暑気はらい。
・暑さに負けそうになる心身を元気づけること。また、そのために何事かを催すこと。
などと書いてありました。

もともと江戸時代から明治時代にかけては,漢方の考え方に基づいて,
薬湯のようなものが飲まれていたようです。
現在では,ご存じのとおり,夏場の暑さやストレスを発散する名目として,
宴会や飲み会を表すことがほとんどだと思います。

私たちも,これからもっと厳しくなる夏に負けないように,
みんなで飲んでストレスを発散させたいと考え,
「暑気払い」を計画しました。

ところが,当日は近年まれにみる大雨となってしまいました。
夕方,始まるころに一番激しく降っていたような気がします。
行く前は少し寒かったので,「暑気払い」になるか? と思いましたが,
アルコールが入ってちょうどよく温まってきました。
当初の思惑通りにストレス発散になったかどうかわかりませんが・・・。

終わって帰るころには,優しい雨になっていました。

(N)

(18:58)

2012年07月13日

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写真は,平成11年に発行した,
「『信濃子ども詩集』半世紀の児童詩から ちゃんときいて!」という書籍です。
このころ,子どもたちに関わるさまざまな事件が起こり,
「キレる」「むかつく」という言葉が頻繁に使われるようになりました。
そんな中,長年,児童詩を通して子どもたちと向き合ってこられた
長野県作文教育研究協議会の先生方が,
半世紀の間に蓄えられた子どもたちの膨大な詩作品を振り返りながら,
子育てや教育について不安を感じ,自分には何ができるだろうかと考える人たちと
いっしょに解決の糸口を見つけられたらとの思いで編まれたのがこの本です。
表紙を決める際,私は,迷わずいわさきちひろの絵を使いたいと思いました。

“いわさきちひろ”と聞けば,
だれもがあの独特のやわらかなタッチの子どもの絵を思い浮かべるでしょう。
その無垢な姿に,育つ時代や環境によらない子ども本来の姿がみえるような気がして,
どうしてもその絵を使いたいと思いました。

先日,絵本画家いわさきちひろのドキュメンタリー映画の試写会がありました。
“誰もが知っている絵本作家の,誰も知らない波乱の人生”
刺激的な言葉で彩られた55年の人生は,思いもよらないものでした。
自分の意志に反する結婚をせざるをえなかったこと,そしてその無残な結末。
忘れることのできない,被害者としてのまた加害者としての戦火の記憶。
思うようにいかない日々の中でも,画家になりたいという強い思いをもちつづけたこと。
作品の酷評に悩み,挫折を乗り越え,自身の画風を極めていったこと。
童画の力を信じ,読む絵本ではなく,“感じる絵本”を生み出そうと試みたこと。
著作権という意識が希薄な時代,作家の地位と権利を守ろうと奔走したこと,等々。
近しい人たちへのインタビューを交え,さまざまなエピソードと数々の作品が紹介され,
いわさきちひろの人となりと人生が浮き彫りになっていきました。

映画を見て,私がその作品に感じた“子ども本来の姿”とは,
子どもたちが何の苦しみも災いもなく生きていける平和な世界であってほしいという
いわさきちひろの祈るような願いが表現された姿だったのだと思いました。
そしてそれは,子どもたちの詩を通して荒れる子どもを真正面から受け止め,
ともに歩んでいこうとした先生たちの思いにも通じるところがあるのではないかと思いました。

「いわさきちひろ ~27歳の旅立ち~」は,長野相生座・ロキシーにて,
7月28日(土)から8月10日(金)までの上映です。

2000年「日本作文の会賞」受賞
「『信濃子ども詩集』半世紀の児童詩から ちゃんときいて!」
・A5並製 256ページ 1500円  お求めはしんきょうネットまで

(17:50)

2012年07月09日

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先日,教科書発行者各社が集まる情報交換会に出席しました。
小学校で23年度から使用されている教科書を使った授業の状況や
新学習指導要領の実施状況について,各社や文部科学省の教科調査官の方と情報交換をしたり,
新学習指導要領の趣旨や内容について再確認をしたりという内容でした。
私は生活科の会に出席しましたが,全国の学校現場の状況や各社担当者の問題意識などを聞き,
これからの教科書改訂に向けてより広い視野をもつことができました。

ところで,今回の会場であった教科書協会は東京都江東区にありますが,
会議場所として案内された階へ行くと,
なんと廊下正面の窓から,東京の新名所・スカイツリーがばっちり見えるではないですか!
思わず窓に駆け寄りシャッターを切ってしまいました。
そんな私を横目に各社のみなさんは冷静に会議室へ入って行かれました…。
東京の人にとっては,喜んで写真を撮るような時期はもう過ぎてしまったのでしょうね。
と思ったら,一人だけ私と同じく嬉々として窓にカメラを向けている方が。
どうやら大阪に本社をおく出版社の方で,やはりスカイツリーを初めて見た様子でした。

都会の状況も教育界も刻々と変わっていきますが,
地に足をつけて,しかし好奇心も忘れず,日々の仕事に取り組みたいと思います。

(16:35)