2012年05月

2012年05月28日

 『鬼に訊け』は,法隆寺の昭和大修理,薬師寺の伽藍(がらん)復興に生涯を捧げた
 「宮大工」の故西岡常一さんのドキュメンタリー映画です。

 古より伝わる木の「いのち」を生かした建築様式にこだわった西岡さんは,
 「鉄」や「コンクリート」を使う現代建築を謳う学者さんたちとたびたび衝突することがあり,
 それゆえに「鬼」と呼ばれ畏れられていたということですが,
 西岡さんのもつ膨大な知識とそれを裏付ける技術や経験が,
 数値や様々な理論で示される根拠を凌駕するものがあったと映画から伺えました。

 また,西岡さんは,知識や経験を後世に伝えることにも積極的で,
 道具の使い方をはじめ,多くのことを弟子たちに余すことなく残していきました。

 建物を造るということは,これほどまでに奥が深いものかと驚きましたが,
 日本がもつ古来の伝統や文化のすごさについて改めて実感しました。

 「百聞は一見にしかず」興味のある方は,ぜひご覧ください。
 なお,弊社の道徳資料集『わたしの築くみちしるべ』(平成24年度改訂新版)の中学3年版にも
 「祖父の跡を継ぐ」という題で,西岡さんの資料が収録されています。
 こちらは,西岡さんの苦しい修行の頃の様子など宮大工になる「原点」が書かれています。
 映画と一緒に読んでいただければと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。

 
 ※『鬼に訊け』は,長野松竹相生座・ロキシー1・2にて上映中です。

(11:08)

2012年05月25日

 最近,ようやく天気が落ち着いてきました。
 今週は,「金環日食」や「スカイツリー開業」と
 天気が気になる日が続きましたが,概ねよい天気に恵まれました。
 金環日食のときは,通勤途中に通る小学校の校庭で,
 一生懸命に観察している先生と子どもたちの姿を見ました。
 また,スカイツリーの開業は,初日は雨で残念でしたが2日目はきれいに晴れて,
 テレビを通してですが展望台が多くの人でにぎわっている様子が伺えました。
 それにしてもよい天気が続くと心が弾みますね。

 さて,最近,私の仕事の分担に『長野県民新聞』の広告作成が加わりました。
 今年度より,通年で1面記事の下側の広告スペースに掲載されるようになりましたが,
 新刊本をはじめ様々な本の紹介をしていく予定になっています。
 魅力的な内容をたくさんの方々に伝えられるように努力していく所存でありますので,
 ぜひご覧ください。

(13:08)

2012年05月18日

つい先日,弊社では信州大学教育学部・伏木久始先生編著
『信州発・大学版「総合学習」の展開』を,電子書籍ならびにオンデマンド出版でリリースしました。
電子書籍とオンデマンド出版,2通りの出版形式のいわゆる「ハイブリッド出版」は,
弊社としては初めての試みとなります。

この本は,信大教育学部の学生が,将来教職に就いて「総合的な学習」を指導することを学ぶ科目
「総合演習」の中で,教員が提案した課題,または学生たち自らが考えた課題を,
試行錯誤を繰り返しさまざまな苦労を乗り越えつつ,課題解決のために取り組んだ様子が
19例収められています。

たとえば,身近な人生の先輩に,その人が20歳のころどんな様子だったかをインタビューし,
学習指導要領の「書く・聞く・話す・読む」の全領域を覆うような作業を通して,
コミュニケーション手段としての言語を体感することを目的とした「先人のことばに耳を傾ける」,
放置自転車を回収・修理して,修理技術を身につけるとともに,修理した自転車の再利用の
方法について考えて,社会活動にまでつなげた「古自転車復活再利用プロジェクト」,
米づくりの体験的活動を通して,学生が主体的に米作りにおける問題・課題に気づき,
解決していく姿勢を体得することを狙った「米づくりと人づくり」,
幼稚園へ取材をし,「絵本」が幼児教育にどのような役割を果たしているか研究し,
実際に学生自らが絵本を制作した「手作り絵本に思いを込めて」
など,興味深い事例が満載です。

学生たちは,演習に取り組んでいく過程で,直接の解決課題のほかにも,
仲間と協力することの大切さ,助言をくれる年配者や近所の人たちの存在のありがたさ,
自然の恵みや厳しさなど,いろいろなことを学んでいきます。

課題に対する結果や答えを手にするだけでなく,そのほかにもさまざまなことを学びつつ,
感動を覚えながら研究を深めていく様子は読んでいて大変読みごたえがあり,
一つのことを学んでいく中で,十を感じとるような学生たちの感受性の鋭さには
感心することしきりです。

国語や算数といった教科はもちろん大切ですが,日常のさまざまなことに課題を見つけて,
苦労して研究してみることで,教科では学べない大切なことを体得できる,
そして,結果がすべてではなく,過程もそれにおとらず大切なんだということが,
この本を通してひしひしと伝わってきます。

『信州発・大学版「総合学習」の展開』は,

★オンデマンド出版は,ブックネスト http://www.booknest.jp/detail/00005646
★電子書籍は,シナノブックドットコム http://www.shinanobook.com/genre/book/1693

にてお求めください。

TY

(13:46)

2012年05月07日

昨年、社名を「信州教育出版社」と改め、
学校や周りの皆さまにも浸透しつつあるのではないかと思います。
この4月には優秀な新入社員を迎え、
新たな体制でスタートしております。

4月の新体制に先立って、
今まで仕事用のスペースと会議用のスペースを仕切っていたロッカーを
壁際に持っていき、部屋の中のレイアウトを変えました。
今までよりも部屋の中が広く感じられるようになりました。
ぜひ一度、お立ち寄りいただきたいと思います。

仕事の中身では、
電子書籍やオンデマンド本も新たに扱うようになりました。
弊社のホームページでご案内させていただいておりますので、
こちらもぜひ一度、お立ち寄りいただきたいと思います。

今年度は、次期改訂の教科書の編集に取り組んで参ります。
次の新しい教科書がどのように実るのかわかりませんが、
もう芽が出始めています。
まだかなり先の話ですが、ぜひご期待いただきたいと思います。

(N)

(13:59)