2010年04月

2010年04月23日

新聞の某週刊誌の宣伝に
“当事者だから書ける異色レポート 出版界騒然 黒船ついに襲来(やっと本題)本と本屋がなくなる日 そんなバカな!?”
との長い見出しが躍っていた。
海の向こうでは,iPodが発売され,売れすぎて品薄になり日本発売日が延期されたとか。
教育界でも,「デジタル教科書協議会(仮称)」との団体が,設立されるとのこと。
大学の先生とともに
ソフトバンクの孫正義氏やマイクロソフトの樋口康行氏が設立呼びかけ人に名を連ねている。

信教出版部でも,現在デジタル教科書の制作を進めている。
昨年度,理科教科書のサンプル版を作り,
それをもとによりよいものを仕上げようと奮闘しているところだ。
紙ベースの教科書以外,想像もできなかった世代の私としては,
正直どのように使ったらよいのか,どのような可能性があるのか,わからないことだらけだが,
ただ,初めて試作品を見たとき “わあ,すごい。おもしろい”とワクワクしたのは確かだ。

学びの基本は好奇心だと思う。興味をもち,不思議を感じ,もっと知りたいと思う。
とすれば,とりあえず第一段階はOK。
ただ,最初に感じたワクワク感は,デジタル教科書自体に感じたものだから,
問題は,この気持ちをどう学びにつなげていくかだ。
どんな機能が必要なのか,また,必要でないのか。どんなふうに授業に活かしたらよいのか。
それを見極めることがこれからの大事な仕事だ。

サンプル版をご覧になった先生方からも貴重なご意見をいただいている。
実際に今の子どもたちと日々接している先生方からは,
思いもかけないようなご意見をいただくことがある。
そういったご意見を活かしながら,授業の可能性を広げるものに仕上げ,
8月にはご紹介したいと考えている。

パソコンや携帯が普及してから,世の中が大きく変化した。
自分自身さまざまな恩恵を受けていることも確かだが,同時に信じられないような事件もおきている。
“科学は生活を便利にする手段に過ぎない”
これは部内きっての理系Nが,かつての社内通信に載せた文章の中の一文であるが,
ことばを変えれば,“主体は人間だ”ということだろうか。

ITを教材にどう活かすか。大きな課題だが,
“主体は人間だ”ということを大切にして取り組んでいかなければと思う。

(18:04)

2010年04月09日

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かつて「りんどう双書」でお届けし,好評を博した,川田殖先生の講演集3冊
――『信州の片隅から』『混迷の時代の中で』『若き友らとともに』。
信濃教育会発行 雑誌『信濃教育』へ,「星を仰いで」と題したエッセーを連載されたことを期に,
待望の復刊となりました!!

『信州の片隅から』と『混迷の時代の中で』は1981年(昭和56年)に,
『若き友らとともに』は1995年(平成7年)に,初版が発行されましたが,
品切れとなってしまったあとも問い合わせが多く,人気の高い本でした。

3冊は,郡市教育会総集会など,主に先生方のお集まりでの講演をまとめたものです。
川田先生ご専門のギリシャ哲学の分野から,信州に縁のある偉大な先人から,
先生自身の豊かなご経験の中から,
さまざまな観点から,先生方と共に教育を考え,目の前の子どもたちへと思いを寄せる,
川田先生の温かくも情熱的な語り口に引き込まれます。
初版から30年近くが経っていますが,
今なお色褪せず,現代に生きる私たちの胸にせまることばの数々が随所に光っています。


編集担当となり,川田先生のお宅へごあいさつに伺い,
その後は主に電話や郵便で,原稿等のやり取りをさせていただきましたが,
その中で先生のお人柄に幾度も助けていただきました。
穏やかで柔軟なご対応の中にも,確固たる信念が一本通っていて,
そして,いつもこちらのことを気遣ってくださり,ことばをかけてくださる。
先生とお電話で話すたび,お手紙を読むたびに,
実際の仕事は立て込んでいるのですが,ものすごく元気!やる気!前向き!な気持ちになりました。
川田先生とお会いになった人は皆,先生の魅力に惹きつけられてしまうんだろうなあと思います。
一緒にお仕事をさせていただき,本当に貴重な機会,経験となりました。


復刊にあたり,装丁が一新,そして川田先生による語句の注が加わり,より読みやすくなりました。
未来を担う子どもたちと接する責任や奥深さを改めて考えさせられます。
先生方だけでなく,父母の方々にも大変おすすめです。

3冊ケース入りセット価3900円(税込)/各1365円(税込)
B6判 並製 カバー装 208~216ページ
トップページでも近日中に詳細をお知らせいたします。

お求めは,しんきょうネットまでどうぞ!
http://www.shinkyo-net.co.jp/

(13:20)