2008年06月

2008年06月27日

 6月15日は「父の日」でしたが,その前日「あること」が原因で父と大喧嘩になってしまい,久しぶりに親子間で険悪な雰囲気になりました。あることとは,「釣り」です。
 
 なぜ,釣りが原因で喧嘩になったかというと,我が家では,父と兄と私の3人でよく川釣りに出かけます。また,3人で出かけるところは,危険が少なく,自動車を横付けにできる安全な場所と決めていました。しかし,20歳を過ぎ,自分一人でも釣りに行けるようになった私と兄は,父と行っていた安全な場所を避けるようになり,山岳地帯を流れるような険しい川に挑むようになりました。その結果,父と私たち兄弟の川釣りに対する意見がズレるようになってきました。

 その日は,まだ行ったことがない河川に行こう兄と計画を立てました。しかし,危険かどうか確かめていないのに父を連れて行くのはどうかと考え,今回は2人で早朝(午前3時頃)にそっと出てしまおうということになりました。しかし,出ようとした瞬間にトイレに起きた父と会ってしまい…,日の出前から家の中は大騒ぎなりました。
 思えば,父から釣りを習ってもう15年,こんなことは1度もありませんでした。そして,口論の末,父は「勝手にしろ」と自分の部屋に帰ってしまいました。しかし,帰っていく父の背中は,どことなくさびしいような雰囲気がありました。
 それから数日は,ほとんど口を利かずに無言の生活が続きました。それで,「どうするか」と思っていたところ,兄が「海に釣りに行こう」と父を誘い,そのおかげで,何とか和解の1歩手前まで漕ぎつけることができました。
 兄に「なんで海に誘ったんだ?」と聞いてみると,喧嘩があったあと10年の付き合いがある釣り道具屋に出かけて,事の顛末を話したところ相手にも過去にそんなことがあったということでした。そして,話をしている内に道沿いから簡単にアクセスできる海を選んで釣りをしてみたらどうかということになったということです。

 次の土曜日(6月21日)に早速,父と3人で海に出かけました。そして,その日の内に和解することができ,またいつも通りの生活が始まりました。しかし,今回は,まだまだ息子たちと釣りを楽しもうとしている親の気持ちを読み取れない自分が情けないと思いました。また,親の背中を見ながら釣りを始めていたのに,いつの間にか追い越してしまい,置き去りにしてしまったと感じました。親から受け継いだ大切なものを忘れないように,もう一度初心に戻り,やり直すようにしていこうと思います。

(追記)
 最近,いろいろな仕事が動き始めてきたので,そろそろ「遊んでいる場合じゃないな」と感じてきました。担当物に支障が出ないように,もう一度「入稿日」や「締め切り」などを確認して,1つ1つ確実に潰していくスタイルを守りながら仕事をしていきたいと思います。

(19:25)

2008年06月20日

仕事柄,普段からできるだけことばづかいには注意している。

出版社勤め,しかも未来を担う子どもたちが使う学習教材の
製作に携わる仕事ともなれば,当然のことである。
なので,仕事中はもちろん,仕事以外でも正しい日本語や
標準語をつかうよう意識している(つもり)。

しかし,だからといって地元のことばがきらいというわけではない。

やはり,地元の人間同士ならば,長野弁で語り合ったほうが
気持ちが通じる気がするし,最近では逆になめらかな長野弁(?)で
話すご老人などに出会うと妙に感動を覚えたりすることさえある。
やはり,ことばは人間のアイデンティティーを構成する重要な要素のひとつである。

ちなみに,長野人の多くは,長野弁は標準語にきわめて近いと
思い込んでいるそうである。
しかし,あらためてよく考えてみるととてもユニークな,
長野弁特有のことばや言い回しがたくさんあることに気づく。

今日は,その中でも私がとくに気に入っている長野県の北信(ほくしん…長野県北部のこと)の
ことばを紹介しよう。



○「なから」

「半ば」とは違い,「大体OK」とか「ほとんど大丈夫」というような
肯定的な意味で使われる。こういう意味のことを,ひとことで
表現できる標準語のことばがなかなか見当たらず,
冒頭で「標準語をつかうよう…」などと言ったくせに,
ついつかってしまう便利なことば。

■用例1:「先生,原稿は,なからでいいので早めに送ってくださいね(先生,
     原稿はだいたいできている状態でいいので~,)。」

■用例2:(応用)「今日はへえおせし,なからにしてけえらず(今日はもう遅いし,
     大体区切りのいいところまでやって帰りましょう,の意。
     「けえらず」の「ず」は,「~しませんか」という意味でつかわれる)。」


○「~するしない?」

初めて聞いた方は頭の中に「?」マークが浮かぶだろう。
あえて標準語に直すと,「~しませんか?」「~(のようなこと)はありませんか?」
といった問いかけの意味になるだろうか。同意を求めるニュアンスがある。

別の形として「~だしない?」があるが,これは名詞のあとに付いて
「~じゃない?」という意味になる。
若い男子などは「~だしねー?」というふうにもつかう。

■用例1:「日曜日って,つい昼過ぎまで寝ちゃったりするしない?(日曜日って,
     つい昼過ぎまで寝てしまうものですよね?)

■用例2:「あっ,あれは○○君だしない?(あっ,あれは○○君じゃない?)」


※対義語として「~しないしない?」というのもある。

■用例1:「風邪ひいているときに,プールに入ったりしないしない?
     (風邪ひいているときに,プールに入ったりするもんじゃないでしょう?)」



どうです,奥が深いでしょう? 

長野県内の方,普段意識しないでつかっているおもしろい地元ことばが,
このほかにもまだまだたくさんありますよ。
興味があったらぜひ調べてみてはいかがでしょうか。


…おっと,もうこんな時間! 

ブログ書くのも,なからにして仕事に戻らないと怒られちゃうしない?


ということで。


TY

(17:29)

2008年06月16日

先月,家の片隅の小さな庭に,ヒマワリとアサガオとコスモスの種を蒔いた。
ガーデニングの店で買った種の袋に,5~6月ごろ蒔くのがよいと書いてあったが,
先月はまだ朝夕肌寒く,本当に芽が出るか少し心配していた。

数日後,ヒマワリが芽を出した。
冷えた土を力強く押し上げ,蒔いたすべての種から芽を出した。
意外だったのは,コスモスもヒマワリと同時に芽を出し,
細い茎をしっかりとのばし始めたことだ。
(もっとカヨワイ可憐な花かと思っていたのだが…)

アサガオはなかなか芽が出ない。
冷たい土に押しつぶされて,もうダメになってしまったかと思ったころ,
ようやく2,3粒の種から芽が出て,
ひょろひょろと頼りなさそうにつるがのびはじめた。

先日,ふと部屋から庭を見ると,アサガオのつるが地面に垂れ下がっていた。
そばに支柱を立ててやろうと思い,庭に出てよく見てみると,
蒔いた覚えのない隅の方でも,いくつかのアサガオがつるをのばしていた。
不思議に思いながらそれらを移植ごてで掘り返してみると,
予想以上に地中の深いところまで根をのばしていた。
虫が種を運んだのか,蒔く時に知らぬ間に落としたのかよくわからないが,
とにかく根を切らないようにして中ほどへ移し,
ほかのアサガオと同じように,支柱を立ててやった。

今は,もうすっかり初夏らしい暑さになり,
ヒマワリもコスモスもアサガオも,
それぞれ元気に葉を広げ,茎やつるをのばしている。

思えばアサガオは,芽を出す前にじっくりと時間をかけて,地中に根をのばしていたのだ。

新学習指導要領が告示され,私たちの仕事もいよいよ「充電のとき」から「放電のとき」へ移りつつある。
庭の草花たちと同じように,新しく蒔く種が芽を出し,大輪の花を咲かせてくれるように,
しっかりと育てていかなければならない。
(N)

(09:05)

2008年06月06日

信濃教育会出版部のブログに来ていただいている方々は,
弊社の定款三条をご存知でしょうか。

第三条  本社団は,社団法人信濃教育会における教科研究とその成果の発表を助成し,又民間出版社において採算上刊行を引き受けないような,優良教育学術図書の刊行頒布,各教科の研究および教育学術講演,講習等の事業を行い,教育の振興,文化の向上に寄与することを目的とする。

公益法人である信濃教育会出版部は,この定款を目的として設立されました。
この定款を読むたびに,
世のため,人のためになる仕事に関わっているという気がして,
背筋がしゃんとのびるように思うのです。


なかなか思うようにことが運ばないとき,
気持ちがなえてしまったとき,
仕事をしていく中で,いろんな日があります。
でも,原点である(と思っている)この定款に戻ることで
気持ちを奮い立たせることができることは確かです。

さあ,来週もがんばろう!

(18:00)