2007年11月

2007年11月29日

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先日,県農政部などの主催で「信州オリジナルブランド食材」の
新作料理発表会が開催され,参加してきた。
現在長野県で力を入れて売り出し中の
「信州サーモン」「信州黄金シャモ」などを使った料理の試食を通じて,
マスコミや旅行会社,ホテル・旅館の関係者はじめ多くの人に,
信州の良質な食材を知ってもらおうという企画である。
当日は,公募抽選の一般の方を含めて約150名の参加があった。

料理は,信州サーモンと信州黄金シャモをメインに,
野菜やくだものも使われる食材ほぼすべてが県内産という,
信州づくしのフルコースであった。

野菜について,わたしは今回初めて知ったのだが,
「信州伝統野菜認定制度」という制度があり,
現在県内で38種類の野菜が選定されているそうである。
地域の食文化とともに守られてきた野菜たちの
継承発展と地域振興を図るために行なっている。
当日の料理でふんだんに使われていた村山早生牛蒡,
どちらの村山かと思ったら,須坂市村山であった。
近隣であるのに恥ずかしながら知らなかったのだが,
このように身近に「信州伝統野菜」と認定されている野菜があるかと思うと興味深い。
なかには2,3戸の農家でしか作っていない伝統野菜もあるという。

また,「長野県原産地呼称管理制度」という,
信州産農産物のブランド化を目指し,味と品質を保証する制度があり,
現在ワインや日本酒,米などが認定を受けているそうである。
信州産の農産物を原料とし,信州で製造され,
さらに味覚審査に合格したものだけを認定している。
当日は当然,各種ワインや日本酒などの試飲もあった。
しかし何分平日の昼間ということで,
会社に帰ってから一人酔っ払っているわけにもいかないし,
さらに「お酒はダメ」という注意事項もいただいていた。
もちろんそのつもりでいたのだが,
「おいしい」を連発するお隣さんの声,
「いかがですか?」と笑顔ですすめてくる(勝手についでいる)ウェイターさん,
そしてなにより料理が…。
決してお酒に詳しくはないが,
「これでワインがあったら…」なんて思わせるような料理ばかり。
思わず,ひと口いただいてしまいました…スミマセン。


さて,ただ食べていただけというわけではなく,
信教出版部では,例えば小学校の県学習教材『のびゆく郷土』で
県内の産業のようすを紹介しているが,
地域に根ざした出版社として,
これら信州オリジナルブランド食材のような
県をあげての産業振興の取り組みだとか,
またその食材そのものやそこに関わる人々のようすなど,
長野県の今をわかりやすく子どもたちに伝えていきたいと考えている。
日々刻々と変化している産業や人々の暮らしなどをしっかりと見つめ,
地元ならでは,信教ならでは,と言われるような教材をつくっていきたいと思う。

(09:23)

2007年11月22日

 長野市内もとうとう雪が舞うようになり,寒さがいっそう厳しくなってきました。寒くなると,朝,ふとんから出るのが億劫になり「あと,5分…」なんていいながら寝てしまいます。すると,時計の針は,いつの間にか会社に行くギリギリの時間をさしていて「しまった,早く起きなければ…」という事態になります。いつまで経っても,寒い時期の朝だけは弱いです。
 さて,私の担当している『信濃子ども詩集』もそろそろ完成させなければならない時期になってきました。原稿をいただいてから2ヶ月が経つのですが,本文等の全ての面で形になってきて,「今月の締め切りに間に合う…」という具合になってきました。
 振り返ってみると,初めて原稿である詩の作品をいただいた時は,「こんなに大量の作品を一人で整理して制作をするの…?」と思わず「絶句」してしまったということを思い出します。また,なれない作業が続き,あたふたしながら「本当に終わるのかなあ…」と考え込んでいた時もありました。しかし,徐々に締め切りが迫ってくると,「そろそろ覚悟を決めるか」と腹をくくるようになりました。
 いよいよ,来週で決着をつけるのですが,購読の募集も11月27日(火)で締め切りです。まだ,購入を悩まれている方,また,もう1冊…と思っている方はぜひ,ご注文をよろしくお願いいたします。私も残り一週間,54集『信濃子ども詩集』がすばらしいものになるように精一杯努力します。

(18:43)

2007年11月16日

今年も残すところあと1ヶ月ちょっととなり,出版部の内部も徐々に
慌しさを増している今日このごろである。現在,出版部では,中学3年生向けのテスト教材
『実力診断テスト(国社数理英)』の編集作業がピークを迎えつつある。
私は英語を担当しているわけだが,先日,リスニングテストの録音を行った。

この録音,ナレーターとして,長野市内の英会話学校にお勤めの
ネイティブスピーカーの講師の方に毎年ご協力いただいている。
今年も男女1名ずつお願いし,録音を行ったわけだが,実はこれが自分の中では
年に一度の大イベントである。

まず講師の方々を,英会話学校までお迎えにあがり,車で
レコーディングスタジオまでお連れする。一応,大学では英米文学を
専攻してきた私であるが,留学経験もなく,日常的に英会話をすることもないので,
アタマの中で英作文をすることはできても,なかなかスムーズに口をついて言葉がでてこない。
だから車で移動中,交差点で右折しようと,タイミングをはかりながら
車の途切れるのを待っているときに,講師の方に話しかけられたりすると,
「uh, ah..., wait a minute !」となってしまう。
しかし,動揺を悟られては日本男児の名がすたるので,頭のなかで軽く
パニック状態を起こしつつも冷静をよそおい,なんとか車中で自己紹介や
教材の主旨を説明し,無事スタジオ到着。

スタジオには編集委員の先生方2名にも,監督としてご足労いただく。

スタンバイを整え,録音開始。


さすがはネイティブスピーカー。発音上手い!(?)

しかし,お二人ともこのような録音は初めてで,緊張もあるせいか,
読むのがとても速くなってしまったり,つかえてしまうこともある。
そんなときは,ディレクターよろしく私が「あそこをもう一度やってみましょう。」とか,
「No.1とWhenの間にもうすこし間をおいて・・・・」などと指示をしたり,
逆にうまくいった時は「Very good !」とか「Good job !」とか声を掛け,
彼らの緊張をほぐしながら録音を進めていく。
編集委員の先生方はあくまで監督であり,進行は私の仕事だからだ。

この録音,英語で進行しなくてはならないほかにも,
時間内で録音を終わらせ講師の方々を夕方からのレッスンの時間までに送り帰さなくてはとか,
なによりもまず,教材としてちゃんとしたものを作らなくてはとか,
いろんなプレッシャーがごちゃ混ぜになり,冷や汗をいっぱいかいてしまう。

しかし,私はテキトー英語連発であったにもかかわらず,講師の方々が
こちらの意図を汲もうとして耳を傾けてくれたせいか,なんとか時間内に録音は終了。
帰りの車の中ではお互いホッとしたのか,会話が弾む(行きよりは)。


 男性講師:長野市内でおすすめのレストランは?

 私:う~ん,それは難しい質問だ・・・。○クド○ルドとかかな?

 男性&女性講師:それなら知ってる(笑)!

 私:ところで「おやき」って食べたことある?

 女性講師:ええ。結構好きよ。

 私:えっ,ほんと? 僕は好きじゃないなあ。

 女性講師:え~,地元の人なのに!(笑)

とまあ,他愛もない会話に花が咲き,年に一度のイベントも無事終わった。

大事なのは気持ちですよ,気持ち。心を込めれば,英語が苦手でも
言いたいことは伝わりますって。(but,生徒の皆さんは私のように
冷や汗をかかなくてすむよう,しっかり勉強しましょう)


■実力診断テスト(D編)国社数理英 各教科
12月初旬 発売予定  各135円。
長野県高校入試の出題形式と出題傾向に対応。
D編は入試直前予想問題。(A~C編は来年度発売予定)  

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TY

(17:20)

2007年11月12日

 先頃、中央教育審議会教育課程部会は次期学習指導要領改定への「審議のまとめ」を大筋で了承し,いよいよ告示に向けての到達点が見えてきた。この審議のまとめに関する講演会が先日東京で開かれ、行く機会に恵まれた。
 現在の学習指導要領の「ゆとり教育」は、告示された当初から世論の風当たりが非常に強く,学力低下問題と絡めて幾度となくマスコミで取り上げられてきた。種々の学力検査や学習状況等に関する調査の結果から、学力のみならず体力や学習意欲も下がっているとの報道がされ、その類の本も数知れず出版された。
 しかしながら、現在の子供たちの学力低下は「ゆとり教育」だけが原因ではなく、もっと前から存在していた社会構造そのものに深い根があると指摘する方々もいる。例えば、30年ほど前から急速に世の中全体にテレビやゲームが普及したため、子どもたちの家庭学習時間が減ったことや、深夜営業の店が急激に増え、世の中全体が夜型の生活になったため、規則正しい生活習慣が崩れたことなどである。
 もちろん、現行の学習指導要領の中にも、正直言って首を傾げたくなるような部分はある。例えば、全国の都道府県名をすべて知らなくてもいいとか、台形の面積の求め方はやらなくていいとか,円周率は3で計算してだいたいの結果がわかればいいとか…。あまりにも「新・学力観」の言うところの「自ら考え自ら学ぶ」ことばかりに重点を置きすぎ、基本的に知っていないと困るような知識まで削減されてしまったことに対しては、世間の反発を食らったのも当然といえるだろう。
 そのような事を色々と考えながら先日の講演会に出席したわけだが、ご存知のように、新しい学習指導要領の方向としては、全体的に内容や時間数を充実させ、今までの方向から少し軌道修正するようである。講演の中で象徴的だったのは、今回は「バランス」を重視したとおっしゃっていたことである。「生きる力」といって「自ら考え」てばかりいるのではなく、人の言うことにも耳を傾けなければならない。すべての人には「我の世界」と「我々の世界」があり、両方の世界で生きる力を「バランス」良く育てたいという趣旨のようだ。熱い講演で、審議会の方々の、「このままでは日本はダメになる。日本の教育を、日本をよくしたい。」という思いがしっかりと伝わってきた講演であった。有意義であった。
 次代を担う子供たちが心身ともに健全に育って欲しいと願うのは、私たち教育にかかわる者ばかりではないはずである。彼らの成長にとって非常に重要な影響を及ぼす学校教育の拠り所となる学習指導要領が、今後どのように改定されていくのか、日本のすべての大人に関心をもっていてほしいと思う。

(09:44)

2007年11月02日

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先週の土曜日,池田町の大カエデを見に行ってきた。
何年も前から新聞などにも紹介されていたということだが,私はまったく知らなかった。
たまたま写真の著作権について調べているときにその存在を知ったのである。

山奥の巨大なカエデ!
もう,見たくて見たくてたまらなくなってしまった。
聞けば,ちょうど見ごろだというではないか。
しかも県内の池田町にあるというではないか。

ちょうど土曜日は,
松本市美術館へ「松本平の神仏 百柱をたてる」を見に行こうと思っていたので,
ついで(?)に足をのばすことにした。
空模様が思わしくないのはわかっていたけれど,しかたない。
日曜日はほかに予定があったし,来週では散ってしまうかもしれない。

雨の中,山道をどんどん登る。
ちょっと,うそでしょ。ほんとにこっちでいいの。
いよいよ心細くなってきたころ,ようやくたどり着いた。

黄緑の葉っぱ,黄色い葉っぱ,山吹の葉っぱ,橙の葉っぱ,
朱色の葉っぱ,真っ赤な葉っぱ,そして深紅の葉っぱ……。
開墾のとき,あまりにも巨大すぎて根まで掘り起こせなかったものが,
開墾の失敗で人が去ったあと,再発見される間に大きく育ったそうだ。 

自然のものは,すごい。
何があってもなくても,ただ淡々と時を過ごす。
何も言われなくても,だれも見ていなくても,
自分の成すべき事を成す。

こうありたいものである。

(19:23)