2007年04月

2007年04月27日

3月9日のことですから,もう2ヵ月近く前ですが,
このブログ上で,単行本の編集についてお話したことがありました。
その単行本ですが,年度をまたいで現在も鋭意製作中です。

3月9日に「編集日記」と題してお話した頃は,
ちょうど本文のレイアウトを決めたくらいの段階だったのですが,
2ヶ月が経った今,作業はいよいよ佳境という感じになってきました。
校正は念校(最後の校正)に入って,
先日,表紙やカバーなどのデザインを著者の方に選んでいただきました。
徐々に,本としての形ができあがりつつあります。

表紙のデザインを考えていたとき,
参考のためにといろいろな本のカバーを取って表紙のデザインを見たのですが,
あらためて見てみると,なかなか面白いです。
一般的に,書店で本の「顔」としてお客さまの目にとまるのはカバーであって,
その下の表紙ではありませんが,かなり凝ったデザインや色使いのものがたくさんありました。
あまり人目に触れない表紙なのに,しかも使用できる色数や紙質に制約がある中で,
より良い仕事をしようという,製作した方のこだわりと心意気を感じ,刺激になりました。

話は戻って件の単行本ですが,あと1ヵ月ほどで完成の予定です。
もし次回,続々・「編集日記」を書く機会がありましたら,
そのとき無事に完成のご報告ができるように,あと1ヵ月,頑張りたいと思います。

                                    HKでした。

(17:37)

2007年04月20日

先日,新年度を迎えてなにかと忙しいしんきょうネットの,
各学校への発送作業に関わる機会があった。
品物は,今年度改訂新版の道徳資料集「わたしたちの道」「わたしの築くみちしるべ」,
そして教師用指導書。
このブログでも過去にたびたび登場しているのでご存知の方も多いと思うが,
昨年度約一年をかけて,委員の先生方のご尽力はもちろん,
出版部でも部屋を挙げて編集に取り組んできたものである。
真新しい本を数えたりまとめたりしながら,
これがようやく,あと少しで児童・生徒の手元に届くのかと思うと,
自分は担当ではなかったものの,やはり感慨深いものがある。
もうすでに読んでくれた子もいるだろうか。

子どものころ,新しい本を手にとると無条件にうれしかった。
新しい本のにおいや感触が,わくわく感をさらに増大させてくれた気がする。
学校で配られる教科書や資料集なども同じで,
特に国語や道徳なんて,配られるとすぐに全部読んでしまいたくなった。
お話がたくさん詰まっている図書館の本と同じような存在であったので,
授業の最初の1,2回は先生の話もどこへやら,
読破へむかってひたすら黙読していたものだった…。

さて,多少なりとも編集に携わった者としては,
お話は一時間にひとつずつ,じっくり読んで考えて,
クラスの友だちといろんな話をしてほしいと願ってしまうのだが。

今年度の道徳資料集が,多くの児童や生徒に,
わくわく感とともに届いてくれるといいなと思っている。

(13:48)

2007年04月13日

 日を重ねるごとに暖かさが増し,いよいよ春本番と思える季節になってきました。
「今日は,桜の花を見ながらゆっくりと……」なんて考えてしまうぐらい気持ちの
良い日が続いています。
 ところで,4月は,入学式や入社式で新生活を送る方々にとっては非常に忙しい時
期だと思います。私も去年から社会人の仲間入りをしたのですが,この時期は,研修
のことや社会人としてのマナーを覚えたりと,いつも目が回るように忙しかったとい
う記憶があります。しかし,毎日,新しいことが体験できて,常に新鮮な気持ちで仕
事に取り組んでいたと思います。

 2年目になった私は,最近,昨年度に残した仕事の整理に追われています。早いとこ
ろ整理を終わらせて,新しい年度に気持ちを切りかえていかなければと思います。また,
常に新しい気持ちで仕事に臨み,驚くような発見や発想に結びつくようになればと考え
ています。そして,すばらしい教材を企画できるように頑張っていければと思います。

(17:44)

2007年04月06日

新年度がスタートした。

卒業,入学,入社などで新しい環境に飛び込まれた方も大勢いると思われる。
通勤の道すがら,ふと道行く人に目をやると,真新しい制服を着た新入生や,
折り目のパリッとしたスーツに身を包んだ新入社員とおぼしき人たちを目にし,
「自分にもあんなときがあったんだな」と懐かしいやらうらやましいやらである。
その当時は特段何の感慨もなかったのに,年齢を重ねると,こういったことに
やたらと感じ入るのは非常に不思議でもある。


我々出版部も年度始めにあたって,人的異動はないものの,先日の定例会議で
新たな担当が発表され,新しいことへのチャレンジに胸を高鳴らせているところである。

私もいくつか新しく担当させていただくものがあったが,道徳については今までどおり,
やらせていただくこととなった。


ご承知のとおり,世の中の乱れを直し,健全な青少年を育てるために,道徳を正式な教科に
引き上げるという議論が始まっているようである。

先般このブログでも書かせていただいたが,心身ともに健全な子どもを育成するためには
やはり道徳教育の充実は非常に重要なことと考える。
道徳教育の充実により,人間性も学力も磨かれるという自論に迷いはない。

しかし,道徳が教科となるとはどういうことか。

まず,授業はどうするのか。
今までも道徳の授業はあったわけだが,今後正式な教科として授業をするのに
教科書に基づいて,『これが正しい人間のあり方です』というように教えこむのか。
教科書や問題集で練習問題を解いて道徳的力を身につけるのだろうか。

そして,評価するにしても、テストでもして各人の道徳心について点数で評価していくのか。
通知表も5段階評価等で評価するのか。

我々編集者にとっても,非常に重大な関心事なので,いろいろと考えてはいるが
私のような凡人には,どうやったら道徳的心情をもっともよいかたちで
教え,評価できるかなんて簡単にわかるわけもなく,一人で悶々としている。


新渡戸稲造は,宗教をもたない日本人の道徳的心情を形成しているのは武士道であると言った。

今の日本に武士道なんてあるのか。
それとも世の中の乱れは,武士道がなくなってしまったことの裏づけなのか。
だとしたら武士道に代わる新たな価値観って何かあるのだろうか。
宗教でもやればいいのだろうか。


道徳的力を身につけるために,そして日本の世の中をよりよくするために
さらなる議論が行われることを祈りたい。


今年度もよろしくお願いいたします。

                 TY

(18:13)