2006年11月

2006年11月30日

だいぶ冷え込みが厳しくなってきた。
冬本番はこれからだというのに,目の前の寒さに対処することで精いっぱいである。
となりの席のHさんと,
「カイロを腰に貼るのとおなかに貼るのと,どちらが効率よく快適に温かいか」
という議論を真剣にしているきょうこの頃。


家の近くではまだ降らないが,遠くには白くなってきた山もちらほら。
わたしは電車で通勤しているが,もより駅のホームに立つと,
晴れの日は西側に北信五岳が一望できる。
斑尾・妙高・黒姫・戸隠・飯綱。
なんとも雄大な眺めである。
ホームに屋根もいすもない,畑に隣接する小さな無人駅であるが,
山を眺めるにはそのひらけた感じがいい。

毎朝ホームに,五岳に向き合ってたたずんで電車を待っているおじさんがいる。
以前,飯田市の中学校へ赴任していた教師の友人が,
朝出かけるときにアルプスを眺めることを日課としていたそうだ。
心が洗われ,一日がんばろうという気持ちがわいてくると言っていた。
おじさんも同じ思いなのだろうか。

日々眺めて英気を養うこともあれば,信州を離れて暮らしていたときには,
帰省して,そこにある山を見ると心底ほっとした。
帰ってきたなあという気持ちになる。
ただ静かに,どっしりと存在しているだけなのに,清々しさ,やる気,懐かしさ,
…さまざまな感情を与えてくれる山たちである。


明日から師走。
先生方におかれては,日々の校務に加え個別懇談会などもあり,文字通りの忙しさであろうと思う。
わたしたち出版部も,来年度の出版物の編集が最終段階になってきたりと,
なにかと慌ただしい師走になりそうである。
カイロのお世話になりながら,寒さに負けず2006年を最後まで走りぬけたらと思っている。

(18:29)

2006年11月24日

毎日が修行の新人の私だが,最近,『信濃子ども詩集』の校正のお手伝いをした。
校正をする前に,詩集担当の上司から「子どもたちの素直な気持ちが詩で表現され
ているから,校正をしていて楽しい」と聞いていたが,「本当かな?」と半信半疑
であった。
しかし,実際に校正をしてみると,たくさんの子どもたちの「本音」を聞いている
みたいに,文章から色々なことが伝わってきて楽しいのである。また,作品の内容
が,子どもたちの「日常生活」に触れたものもあり,校正をするたびに,昔の自分
を思い出し,つい手が止まってしまうこともあった。

詩集の文章は,どれも素直で純粋である。また,どの作品も文章から子どもたちの
おもいがにじみ出ていて,非常に読みごたえがある。是非,多くの方に読んでいた
だきたいと思う。

(18:32)

2006年11月17日

先日,平成18年度北信地区事務職員研修会という会に参加させていただいた。

なかなか普段お行き会いすることのない,北信の各教育会の先生方とお会いし,
各教育会の情報や,長年信州の教育界で活躍されてきた先生方の,
含蓄の深いお話を伺うことができ,大変勉強になった。
ホテルでの宴席の後も,信濃教育会の某先生,しんきょうネットの某所長と3人で,
遅くまでお酒を飲みながら,色々なお話を聞けて大変実りの多い会だった。


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上の信濃教育会の某先生もそうなのだが,先生という人種は本当にパワフルで元気のいい方が多い。

以前,このブログでも書かせていただいたが,私の担当させていただいている
道徳資料集の編集委員の先生方も,日頃の校務のほかに,それこそ余暇の時間も惜しまず,
寝る時間も食事の時間も惜しまずというくらいの熱意でもって資料を整理し,原稿を書き,
委員会の席では口角泡を飛ばしながら盛んに議論し,委員会の時間が終わっても,
立ったままでいつまでもお話をされているという先生が多かった。
そういう姿を見る度に,頭の下がる思いだった。

それにしても,先生方のあのパワーは一体どこからくるのだろう?
頭を使い,体を使い,気を遣う教師という商売は,相当に大変な職業だろうと思うのだが。


我々出版部も負けていられない。

日々過ごしていると,つい自分はとても忙しくて,大変なことをしているような気になってしまい,
余裕がなくなってしまう時もあるけれど,そんな時はパワフルで情熱的な
あの先生方のことを思い出して,いつかは自分も誰かにパワーを分けてあげられるような
人間になりたい,と殊勝なことを考えた。


もうじき信州は,雪が降ります。

            TY

(18:00)

2006年11月10日

ここ1週間ほど、朝夕の冷え込みが急に厳しくなり、冬の訪れを感じる。

出版部の仕事の中でも特に長い歴史を誇り、
シンボル的存在の「信濃子ども詩集」。
今年でいよいよ53集である。

6月に県下の小中学校へ作品募集をお願いしてから5か月。
例年より日程がかなり "おして" いるため、
現在、部内のみんなに少しずつ校正を分担してもらい、
例年どおりの12月5日発行をめざしている。

実は、詩集の校正は非常に楽しい仕事である。
子どもたちは、
大人なら気にもとめないようなことに気づき、
素直に書いてくれる。
大人ならはばかられるようなことも
平気で書いてくれる。
思わず吹き出してしまうこともある。

今年は、昨年より入選作品が増え、
中学生を中心に長い詩が増えたという印象だ。
児童詩、健在。

皆さんにもぜひお読みいただきたいと思う。

(15:04)

2006年11月02日

平成19年度版「道徳資料集」の見本が完成した。
まずは日程どおりに仕上がりほっとしている。
でも,これで終わりではない。

以前,いっしょに仕事をしたイラストレーターさんに次のような手紙をいただいた。
「私たち制作にあたる者は,機会に恵まれてこそ,作品と呼べる物が形になる…,
 機会をあたえてもらい,本当に幸せ…」

以来,わたしはいつもこの言葉を心において仕事をしてきたように思う。
丹誠込めて作った物も,ただそこにあるだけでは何の意味もない。
使ってくれる人の手に届いて,初めて価値ある物になるのだと思う。

昨日は完成を祝い,長野市内某所で打ち上げをしたのだけれど,
そこへ行く道すがら,
「じつはわたしも何度も感動しちゃったんだよねー」と言うと,
隣の彼女も,「わたしもです」と言う。
前を歩いていた若者も,「涙腺弱いんっすよねー」なんて言う。

子どもたちの琴線にふれるお話が,たくさん掲載されています。
多くの子どもたちの手に届きますように。

(17:05)