2007年09月07日

文化庁などの主催で全国7箇所で実施されている「著作権セミナー」,
先週山梨県で開催され,出版部から若人3名(単純に下から3人という意味です…)
が参加させていただいた。

著作権の保護は,100年以上も前から国際的に行われているものであるが,
昨今の急速な「情報化」の動きにより,多方面で注目を集めている。
デジカメやパソコン,インターネットなどの普及により,
かつては「一部業界の一部のプロ」だけが持っていた
著作物などの「創作手段」「利用手段」が爆発的に普及し,
「一億総クリエーター」「一億総ユーザー」という時代になりつつあるとのこと。
国では,すべての人々が著作権について必要な知識を持てるように,
簡単に利用できるシステム作り,ルール作りを進めているそうである。

講義を受けてみると,「著作権」といっても,
例えば「著作者人格権」「実演家人格権」「著作隣接権」というような
さまざまな権利によって構成されており,
また,さまざまな条件や契約内容によって,
どのように保護されるのかされないのか変わってくる,ということがわかった。
今回基本的事項を学び,問題意識を高めることができたように思う。
編集の仕事をするわたしたちは,著作権とは常に関わりあう関係である。
適切な対応がとれるよう,勉強を重ねながら仕事に取り組みたいと思う。



余談ですが。
会場が甲府駅から車で30分ほどの笛吹市内で,午前10時開講,
というスケジュールであったため,長野市外に住むわたしは,
高校文化祭準備のとき以来の始発電車に乗り,一日がかりの出張であった。
若人2人と合流してからの往路復路は,山梨談義などしながら
ときには風林火山饅頭(?)を食べ,楽しく時間が過ぎていったのだが,
帰り1人になって電車で座ったとたん,フッと意識が遠のいていった。
そして数十分後…
目を覚ますと,電車はわたしの降りるべき駅のホームをゆっくりと離れ
加速していくところであった。
終点で駅員さんに揺り起こされるという最悪の事態こそ回避したが,
腫れ気味のまぶたで乗り越し金を精算するわたしは,
どう見ても寝過ごし客の風貌であったと思われる。
長い一日であった…。

(13:35)

2007年08月31日

 今日で8月が終わります。今年の8月を振り返ってみると,とにかく「暑かった」ということがあげられます。連日にわたって,35℃を超す「猛暑日」が続き,毎日の通勤中にすでに汗でベタベタになるという方も多かったのではないかと思います。

 さて,ブログの本題に移りますが,「新しい指導要領」についてであります。今朝(8月31日付け)の朝刊を見ると,1面に大きく教育関連の記事が載っていました。内容は,主に新指導要領による「授業時間の増加」と「小学校英語の必修化」についてでした。まず,「授業時間の増加」についてですが,既存の週5日制を堅持しつつ,全教科概ね「1割の増加」が必要とのことです。また,「小学校英語」については,高学年の授業に「英語(外国語)活動」を新設し,必修にするという内容でした。
 しかし,新しい指導要領が徐々に明らかになっていく一方,不安の声がいくつかあげられています。例えば,「授業時間の増加」について言えば,「ゆとり教育の見直し」であり,児童・生徒に負担が増えるのではないかということです。また,「小学校英語」については,現場の先生たちが「何を教えていいのかわからない」という不安があるということです。
 多くの期待や不安が新しい指導要領にはありますが,今後の会議で調整され,最終的には「これだ」というものに決定していくものと思われます。教材を制作している私たちは,その動向に注目し,多くの先生方のご意見を伺いながら今後の出版活動を進めていく所存であります。

 余談ですが,先週,S川の支流のK川で釣りをしていたら,激しくコケてしまいました。左太ももを強打してしまい,あっという間に腫れて動くのが困難になりました。その日は,単独で釣行をしており,また,K川はコンクリートで護岸されているため,入る場所によっては上り口を捜すまで帰れないところでもあります。しかし,よりによってコケた場所が悪く,当分上り口がない場所でした。少し痛みがひくのを待ち,何とか釣行を再開しました。しかし,痛みは激しく,自分の背丈(私は,180cmくらいあります)ほどの堰堤を越える時は絶望的でした。そして,何とか道路に出た時には,怪我をしてから1時間が経過していました。やっとのことで自動車までいき,一息ついたのですが,最後に自動車の運転が待っていました。幸い,怪我をしたのは左足だったのでまだマシでしたが,それでも痛かったと思います。
 皆さん,これから涼しくなり,観光にはよい季節になります。しかし,危険はどこかに潜んでいます。怪我をして恥をかいた自分が言うのもなんですが,くれぐれもご注意ください。ちなみに,今もまだ痛いです。(腫れはひきましたが…)

(18:09)

2007年08月24日

毎年信州では,8月13日が「迎え盆」,16日が「送り盆」ということになっている。

私も幼少の頃は,毎年お盆で親戚のうちに集まるのが楽しみで,お墓参りなどお盆にまつわる
一連の行事には喜んで参加していたが,今年は私の嫁の実家が新盆だったため,
自分の父親の実家のお盆行事には参加せず,嫁の実家で迎え盆も送り盆も過ごした。
そこで目にしたお盆の風景は,それまで父の実家で行っていたお盆とは若干違いがあり,
小さな驚きがあった。

私の嫁の実家は,私の生まれ育ったN市から西へ15Kmほど離れたI町(旧M村)なのだが,
そこではお盆のお墓参りの際に,自分の家のお墓だけではなく,
その周りにあるほかの家のお墓にも線香を1本ずつ供え,合掌し,人によってはお菓子や
果物なども供えてくれるという。
また夕方になると,新盆ということもあってか,ご近所の方々も見え,仏壇に手を合わせてくださった。
よその家のご先祖にも手を合わせ,自分のご先祖同様に慰めと敬いの気持ちをもつということは,
とてもよい風習だと感じた。


夏休みも終わり,そんな話をいつもお世話になっている印刷会社で,営業担当S氏と,Sさんと私の
3人でしていたら,地域によってお盆のやり方がずいぶんと違うことがわかった。

まず,私の父の実家(県北部のN市)では,迎え盆のときは,お墓の前で「カンバ」と呼ばれる
シラカバの木の皮を乾燥させたものを燃やし,お墓に供えたろうそくに火をつけ,
その火をちょうちんに移して「お盆ござれ,お盆ござれ…」と唱えながら家まで帰り,
再び家の前でカンバを燃やす。

なんでも,カンバを燃やした煙に乗ってご先祖の霊が家に帰ってくるとか,
この煙を目指して霊がやってくるとか言われており,ちょうちんの明かりもご先祖の霊を
家まで案内するために必要なものだそうだ。

よって,子どもがお墓からの帰り道に,ふざけていてちょうちんの火を消してしまったりすると
父親やおじいちゃんに「こらあ! ご先祖さまが迷ってしまうじゃないか!」と叱責される。
また,きゅうりやなすに割り箸で足をつけ,とうもろこしのひげで尻尾をつけて,
馬と牛を作ったりもする。それに乗って先祖の霊がこの世とあの世を行き来するとも言われる。

しかし,長野県東部のU市出身のSさん宅では,お盆に燃やすのはカンバではなく「わら」であり,
ご先祖の霊をお墓から連れ帰ってくるときは,家族で霊を「おぶってくる」そうで,
お墓で人をおぶる(背負う)動作をして,家に帰ってきてからはそれを降ろす動作をすることにより,
ご先祖の霊が家に帰ってきたことになるそうである。

また,私の嫁の実家と同じI町(旧S村)在住の営業S氏は,お盆にお墓で燃やすのは「豆がら」で,
「お盆だよ~,きなっせ~や~」(うろ覚えで間違っていたらスミマセン)というような歌を
家族で歌いながらご先祖の霊をお迎えするという。
ちなみに私の嫁の実家ではカンバを燃やし,「お盆ござれ」と唱える。

同じ長野県内でも,ちょっと場所が変わればやり方もずいぶん違うものだと,
3人とも驚きを新たにしたひとときであった。


このように,地方ごとに昔から伝わるさまざまなお盆の風習があるわけだが,
祖先を慰め敬う気持ちはみな同じ。地域に古くから残るこういった風習は,ひとつの文化であり,
財産と言っても過言ではないかもしれない。

時代は変化し,どんどん新しいものが登場していっても,こういうものは大切にしていかなくては
いけないと思った。


TY

(17:18)